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実家の片付けをしたくても、遠くに住んでいて何度も通えない。そんなときは、片付けの業者に頼む方法があります。ただ、「どの業者なら安心できるのか」「立ち会えないけれど大丈夫か」と迷う方も多いと思います。
業者に頼む前に、残す物を決めておくことと、業者の許可や見積もりを確かめることが大切です。順番どおりに進めれば、遠方からでも失敗を減らせます。
この記事では、次の3つが分かります。
- 捨ててはいけない書類・貴重品・形見を、業者に頼む前に確かめる順番
- 業者の許可の確かめ方と、見積もりの比べ方
- 立ち会えないときに、トラブルを防ぐための工夫

結論:残す物を決めてから、業者を比べて選ぶ
- まず、通帳や権利証などの書類、貴重品、形見を探して、残す物を先に分けておく
- 業者が、家庭の不用品を回収できる許可(または市区町村の委託)を持っているかを確かめる
- 複数の業者に見積もりを頼み、作業内容・追加料金・キャンセル料を書面で比べる
- 立ち会えないときは、近くの親族に頼むか、作業前後の写真での報告を約束してもらう
- 困ったら、消費者ホットライン(188)に相談する
業者に頼む前に、家族で決めておくこと
片付けの目的と範囲、費用を誰が出すかを、先に家族で決めておきます。
親が施設に入った、亡くなった、実家を売る準備をしたいなど、目的によって片付ける範囲が変わります。「家の中を全部空にする」のか、「使わない部屋だけ」なのかで、見積もりの金額も大きく変わります。
- 目的:住み続ける親のための整理か、空き家にするための片付けか
- 範囲:家全体か、部屋や物置だけか
- 費用の負担:誰が出すか。親の預貯金から出す場合は、きょうだいで記録を残す
- 窓口:業者とやりとりする家族を1人に決める
親が健在な場合は、親の気持ちを聞いてから進めましょう。片付けの進め方や、親との話し方は、実家の片付けの記事で紹介しています。
捨ててはいけない物を先に確かめる順番
業者が来る前に、書類、貴重品、形見の順に探して、残す物を別にしておきます。
国民生活センターには、「処分しないようにと頼んだ物を勝手に処分された」という相談も寄せられています。残す物と処分する物を、はっきり分けておくことが大切です。
1. 手続きに必要な書類
- 預貯金の通帳、キャッシュカード、印鑑
- 不動産の権利証(登記識別情報)、固定資産税の通知書
- 年金の書類、保険証券、健康保険の資格確認書など
- 借入やローン、クレジットカードの書類
これらは、相続の手続きや、実家を売るときに必要になります。親が亡くなったあとの手続きの順番は、親が亡くなったときの手続きの記事でまとめています。
2. 貴重品と遺言書
現金、貴金属、時計などは、引き出しや服のポケット、本の間から見つかることもあります。遺言書が見つかったら、開けずにそのまま保管しましょう。
裁判所の案内では、遺言書を見つけた相続人は、家庭裁判所に提出して「検認」を請求する必要があります。公正証書の遺言や、法務局で保管されている遺言は、検認は不要です。
3. 写真や手紙などの形見
アルバムや手紙、親が大切にしていた物は、きょうだいで分けたいこともあります。迷う物は「保留の箱」にまとめ、すぐに捨てないようにしましょう。
残す物は、ひとつの部屋や押し入れにまとめ、「この部屋の物は触らない」と業者に伝えると、間違いを防げます。
業者を選ぶときは、許可を確かめる
家庭の不用品を回収できるのは、市区町村の「一般廃棄物処理業」の許可を持つ業者か、市区町村から委託された業者です。
環境省の案内では、家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の一般廃棄物処理業の許可か委託が必要とされています。「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」だけでは、家庭の廃棄物は回収できません。
国民生活センターも、遺品や不用品を買い取る業者には「古物商の許可」が必要だとしています。買い取りがある場合は、古物商の許可証も確かめましょう。
- 処分を頼む業者:親が住む市区町村の一般廃棄物処理業の許可か、委託を受けているか
- 買い取りを頼む業者:古物商の許可を持っているか
- 許可業者の一覧:市区町村のホームページで公開していることがあります
片付けの業者が自分で許可を持たず、許可を持つ別の業者に回収を頼む場合もあります。その場合は、回収する業者がどこかを聞いておきましょう。
見積もりは複数の業者に頼んで比べる
1社だけで決めず、複数の見積もりを書面で比べると、料金と作業の内容が妥当かを判断しやすくなります。
国民生活センターには、「作業時に予定外の料金を請求され、見積金額の2倍の費用を請求された」「解約を申し出たら高額なキャンセル料を請求された」などの相談が寄せられています。見積もりでは、次の点を確かめましょう。
| 確かめること | 見るポイント |
|---|---|
| 作業の内容 | どの部屋の、どの物を運び出すか。仕分けも頼むか |
| 料金の内訳 | 作業員の人数、トラックの台数、処分費が分かれて書かれているか |
| 追加料金 | 当日に追加がかかる場合があるか、どんなときにかかるか |
| キャンセル料 | いつから、いくらかかるか |
| 許可 | 一般廃棄物処理業の許可(または委託)、買い取りがあれば古物商の許可 |
遠方の場合、見積もりのために実家へ来てもらうには、誰かが鍵を開ける必要があります。写真や動画を送って、概算の見積もりを出してもらえるかも、聞いてみましょう。
見積もりをまとめて頼む方法の例:ぽいみつ
不用品回収や遺品整理、空き家の片付けなどを行う業者に、まとめて見積もりを頼めるサービスです。運営は株式会社ロイドです。公式サイトでは、ぽいみつの利用と見積もりは無料と案内されています。
申し込むと、対応できる業者から電話がかかってきます。何社もの業者とやりとりすることになるので、電話に出やすい時間を考えてから申し込みましょう。作業を頼むかどうかは自由に決められ、契約は業者と直接結びます。
依頼する業者が、親が住む市区町村の一般廃棄物処理業の許可を持っているかも、あわせて確かめましょう。
※2026年10月27日に公式サイトで確認した内容です。変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。
公式サイトはこちら
立ち会えないときに気をつけること
できれば誰かが立ち会い、難しいときは、作業前後の写真での報告と、支払いの方法を先に決めておきます。
国民生活センターは、作業の際はできるだけ立ち会うよう呼びかけています。遠方で難しいときは、次のような工夫で、トラブルを減らしましょう。
- 近くの親族や知人に頼む:作業の始まりと終わりだけでも、立ち会ってもらう
- 写真で報告してもらう:作業の前と後の部屋の写真を送ってもらう約束を、契約の前にしておく
- 残す物の場所を伝える:「この部屋は触らない」と、書面や写真で伝えておく
- 鍵の受け渡し:誰が、いつ、どうやって渡し、どう返してもらうかを決める
- 支払い:作業が終わったことを確かめてから払う方法にできるかを聞く
- 近所へのあいさつ:トラックや作業の音で驚かせないよう、可能なら事前に伝える
見積もりのときに契約を急がされたり、その場で契約を求められたりしたら、すぐに決めず、家族で相談してから返事をしましょう。
片付けのあとに考えること
片付けが終わったら、実家を残すか、貸すか、売るかを家族で話し合います。
空き家になったあとの選択肢と手続きは、実家が空き家になったらどうするかの記事で、家族で話し合う順番は、実家が空き家になる前に決めることの記事で紹介しています。
よくある質問
家電、まだ使える物、親が住んでいる家の片付けについて、よく出る疑問に答えます。
エアコンや冷蔵庫などの家電は、どう処分しますか?
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は、家電リサイクル法に基づいて、家電小売店などが引き取ります。引き渡すときは、リサイクル料金と収集運搬料金がかかります。
料金を払うと「家電リサイクル券」が発行され、その番号で、家電がメーカーに引き渡されたかを確かめられます(環境省の案内)。業者に頼む場合も、リサイクル券の控えをもらっておきましょう。
まだ使える家具や家電は、売れますか?
比較的新しい物は、中古品として買い取ってもらえることがあります。環境省は、古物商の許可を持つ、信用できる業者に買い取りを頼むよう案内しています。
買い取りの金額を、片付けの料金から差し引く業者もあります。見積もりのときに、買い取る物と金額を書面に入れてもらいましょう。
親がまだ住んでいる家でも、業者に頼めますか?
頼めます。ただし、親の暮らしの場なので、親が納得してからにしましょう。作業の日は、親が疲れないよう、短い時間で区切ってもらえるかを相談するのも一つの方法です。
困ったときの相談先
業者とのトラブルは消費生活センター、ごみの出し方や許可業者は市区町村に相談できます。
- 消費者ホットライン(188):近くの消費生活センターにつながります。契約や料金のトラブルを相談できます。
- 親が住む市区町村の窓口:粗大ごみの出し方や、一般廃棄物処理業の許可業者を確かめられます。
- 地域包括支援センター:親が健在で、片付けと暮らしの支えを一緒に考えたいときに相談できます。
まとめ
遠方の実家の片付けは、残す物を先に決めてから、許可と見積もりを確かめて業者を選べば、安心して任せやすくなります。
- 書類・貴重品・形見を先に探し、残す物を分けておく
- 一般廃棄物処理業の許可(または委託)を確かめる
- 複数の見積もりで、追加料金とキャンセル料まで比べる
- 立ち会えないときは、写真での報告と支払いの方法を先に決める
一度に全部を片付けようとせず、通える回数や予算に合わせて、できることから進めましょう。
参考にした情報
- 環境省「廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!」(2026年10月27日確認)
- 国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日公表、2026年10月27日確認)
- 国民生活センター 見守り新鮮情報 第525号「遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」(2026年10月27日確認)
- 裁判所「遺言書の検認」(2026年10月27日確認)
- ぽいみつ 公式サイト(2026年10月27日確認)
※情報は2026年10月時点のものです。制度やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトや市区町村でご確認ください。