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実家が空き家になったらどうする?選択肢と手続きを分かりやすく解説

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「親が施設に入ることになり、実家が空き家になりそう」「親が亡くなって、誰も住まない実家をどうすればいいか分からない」。そんな悩みを抱えていませんか。

実家には、家族の思い出が詰まっています。すぐに決められないのは、自然なことです。ただ、空き家には手続きの期限や、放置したときのリスクもあります。

この記事では、次の3つが分かります。

  • 空き家になった実家の4つの選択肢と、それぞれの特徴(比較表つき)
  • 空き家を放置したときに起きること
  • 相続登記や、売るときの税金の特例など、期限のある制度
誰も住まなくなった実家のダイニングで、50代の兄と妹がテーブルの書類を前に、実家をこれからどうするか話し合っているイラスト

先に結論:まずやること5つ

  1. 家族で話し合い、住む・貸す・売る・管理して残すのどれにするか考える
  2. 相続した場合は、相続登記の期限を確認する
  3. 決まるまでは、定期的に風を通すなど、家の管理を続ける
  4. 売る場合は、税金の特例の条件と期限を確認する
  5. 迷ったら、市区町村の空き家の相談窓口や専門家に相談する

空き家をそのままにすると起きること

人が住まなくなった家は、風が通らず、湿気がこもりやすくなります。雨漏りや庭木の伸びすぎに気づくのも遅れ、建物が傷みやすくなります。

傷んだ空き家は、屋根や外壁の落下などで、近所に迷惑をかけるおそれもあります。遠方に住んでいると、こうした変化に気づきにくい点に注意が必要です。

管理が不十分だと、固定資産税が高くなることも

住宅が建っている土地は、「住宅用地特例」という制度で、固定資産税が軽くなっています。国土交通省の空き家対策の特設サイトでは、200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)は、固定資産税の課税標準が6分の1になると説明されています。

令和5年の法律の改正で、適切に管理されていない空き家は「管理不全空家」として、市区町村の指導の対象になりました。国土交通省の資料では、改正法は令和5年12月13日に施行されています。指導に従わず勧告を受けると、住宅用地特例が受けられなくなります。(2026年10月14日に国土交通省のサイトで確認)

空き家になった実家の4つの選択肢

1. 家族が住む

子どもや親族が実家に住む方法です。家を使い続けられるので、傷みを防げます。一方で、仕事や暮らしの拠点を移す必要があり、古い家なら修繕の費用がかかることもあります。

2. 貸す

賃貸に出して、家賃収入を得る方法です。人が住むことで家が傷みにくくなります。一方で、貸せる状態にするための修繕や、借りる人とのやりとり、管理の手間がかかります。

国土交通省は、自治体が空き家の情報を紹介する「空き家・空き地バンク」の取り組みを案内しています。地方の空き家では、こうした制度を使って借り手や買い手を探す方法もあります。

3. 売る

売却して、管理の負担をなくす方法です。売ったお金を、親の介護の費用などにあてることもできます。一方で、思い出の家を手放すことになるので、家族でよく話し合うことが大切です。

売る前には、家の中の片付けが必要になります。片付けの進め方は、遠方の実家の片付けの記事で紹介しています。

4. 管理して残す

すぐに決められない場合は、管理を続けながら、家をそのまま残す方法もあります。将来、家族が住む予定がある場合などに向いています。一方で、固定資産税や管理の手間、費用はかかり続けます。

土地を国に引き取ってもらう制度もある

法務省によると、相続した土地を手放して国に引き取ってもらう「相続土地国庫帰属制度」が、令和5年4月27日から始まっています。ただし、建物がある土地は申請できません。また、承認された場合は、10年分の標準的な管理費用をもとに計算した負担金を納める必要があります。

比較表:実家の空き家の選択肢

選択肢向いている場合良い点注意点
家族が住む住む予定の家族がいる家を使い続けられ、傷みにくい修繕の費用や、引っ越しの負担がかかる
貸す立地がよく、借り手が見込める家賃収入があり、家が傷みにくい修繕や管理の手間、借り手とのやりとりがある
売る住む予定がなく、管理の負担をなくしたい管理や固定資産税の負担がなくなる片付けが必要。家族の合意が大切
管理して残すすぐに決められない、将来使う予定がある時間をかけて考えられる税金や管理の費用、手間がかかり続ける

相続したら必要な手続き:相続登記の義務化

親が亡くなって実家を相続した場合は、相続登記(不動産の名義を相続した人に変える手続き)が必要です。法務省のサイトでは、令和6年4月1日から相続登記が義務になったと案内されています。

  • 相続したことを知った日から3年以内に、登記を申請する必要があります。
  • 正当な理由なく義務に違反した場合、10万円以下の過料(行政上のペナルティとしてのお金)が科される可能性があります。
  • 令和6年4月1日より前に相続したことを知った不動産も対象で、令和9年3月31日までに登記する必要があります。

(2026年10月14日に法務省のサイトで確認)相続登記の手続きは、法務局で相談できるほか、司法書士に依頼することもできます。誰が相続するかで家族の話し合いが必要な場合は、早めに始めましょう。

売るときに知っておきたい税金の特例

相続した実家を売ったときには、一定の条件を満たすと、税金が軽くなる特例があります。国税庁のタックスアンサー(No.3306)で紹介されている「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」です。

  • 売って得た利益(譲渡所得)から、最高3,000万円まで控除できます。令和6年1月1日以後の売却で、相続人が3人以上の場合は2,000万円までです。
  • 対象は、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの売却です。
  • 家は、昭和56年5月31日以前に建てられたものであることが条件の1つです。
  • 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが必要です。
  • 売却代金が1億円以下であることも条件です。
  • 売る家が一定の耐震基準を満たすか、取り壊すことが必要です(売った時から、売った年の翌年2月15日までの間に、耐震基準を満たすようになったり、取り壊されたりした場合も対象になります)。

(2026年10月14日に国税庁のサイトで確認。ページには「令和8年4月1日現在法令等」と表示されています)ほかにも細かい条件があり、使えるかどうかは家や相続の状況によって変わります。売る前に、税務署や税理士に相談しましょう。

税理士を探す方法の例:税理士紹介ネットワーク

相続税や贈与税など、相続や資産に関わる税金の相談先として、税理士を紹介してもらえるサービスです。公式サイトでは、相続税の相談は、事業の税金の相談とは分けて税理士を紹介していると案内されています。

公式サイトでは、紹介に関わる料金は何度でも無料と案内されています。紹介された税理士に申告などを頼む場合は、その税理士への報酬がかかります。報酬の額は、税理士との取り決めによって決まります。

申し込むと、担当者から連絡が来ます。申し込みのフォームでは、名前やメールアドレス、都道府県などを入力し、電話・携帯電話・メールの中から連絡の方法を選びます。担当者が希望や条件を聞いたうえで、税理士との面談の設定や、税理士からの連絡の手配をします。

紹介された税理士とは、条件に納得したうえで、個別に契約します。

相続した実家の税金について、税理士に相談したいときの選択肢の1つです。税務署でも、税金の相談を受け付けています。

※料金や条件は、2026年10月14日に公式サイトで確認した内容です。変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。

公式サイトはこちら

遠方から空き家を管理するコツ

どうするかが決まるまでは、家の管理を続けることが大切です。遠方の場合は、次のような点を意識しましょう。

  • 帰省のたびに、窓を開けて風を通し、水道の水を流す
  • 郵便物やチラシがたまらないよう、郵便の転送の手続きをしておく
  • 庭木や雑草が、隣の家や道路にはみ出していないか確認する
  • 近所の方に、何かあったときの連絡先を伝えておく

自分で通うのがむずかしい場合は、空き家の管理を代行するサービスもあります。市区町村によっては、空き家の管理や活用について相談できる窓口を設けているので、親が住んでいた市区町村に問い合わせてみましょう。

親が施設に入ることがきっかけで空き家になる場合は、遠方から老人ホームを探す方法の記事も参考にしてください。

よくある質問

親が元気なうちに、できることはありますか?

親が元気なうちに、実家を将来どうしたいか、親の希望を聞いておくと、あとで家族が迷わずにすみます。権利証(登記識別情報)や固定資産税の通知書など、家に関する書類の置き場所も確認しておきましょう。

実家の名義が誰になっているかは、法務局で登記事項証明書を取ると確かめられます。祖父母の名義のままになっている場合もあるので、早めに確認しておくと安心です。

きょうだいで意見が分かれています

「残したい」「売りたい」など、きょうだいで意見が分かれるのはよくあることです。それぞれの気持ちや、管理や費用の負担を誰がどうするかを、書き出して話し合うと整理しやすくなります。

相続の分け方で話がまとまらない場合は、司法書士や弁護士など、専門家に相談することも考えましょう。

古い家は、早めに取り壊したほうがいいですか?

取り壊すと、倒壊などの心配はなくなります。一方で、国土交通省の資料では、空き家を取り壊すと、その土地に住宅用地特例が適用されなくなることも、空き家が放置される要因の1つと指摘されています。

取り壊すかどうかは、売る予定や税金への影響もふまえて判断が必要です。同じ資料では、取り壊したあとに増える固定資産税などの負担を軽くする措置を設けている市町村もあると紹介されています。親が住んでいた市区町村の空き家の相談窓口に確認してみましょう。

困ったときの相談先

  • 市区町村の空き家の相談窓口:空き家の管理や活用、空き家バンクについて相談できます(名前や担当は市区町村によって異なります)。
  • 法務局・司法書士:相続登記の手続きについて相談できます。
  • 税務署・税理士:売るときの税金や、特例が使えるかどうかを相談できます。
  • 不動産会社(宅地建物取引業者):売る・貸す場合の相場や、手続きの進め方を相談できます。

まとめ:期限を確認し、家族で早めに話し合おう

空き家になった実家には、住む・貸す・売る・管理して残すの4つの選択肢があります。どれが良いかは家庭によって違うので、家族でよく話し合いましょう。

相続登記の義務や、売るときの税金の特例には期限があります。決まるまでは家の管理を続け、迷ったときは市区町村の窓口や、司法書士・税理士などの専門家に相談してください。

参考にした情報

※情報は2026年10月時点のものです。制度やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトや市区町村でご確認ください。