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老人ホームの探し方|遠方に住む親の施設を探す手順とコツ

「親の介護が心配で、老人ホームを探したい。でも、実家は遠くて、何度も通えない」。そんな悩みを抱えていませんか。

離れていると、施設の様子が分からず不安になりますよね。それでも、順番を決めて進めれば、遠方からでも施設探しはできます。

この記事では、次の3つが分かります。

  • 遠方から老人ホームを探すときの手順と、相談先の使い方
  • 探し方ごとの特徴(比較表つき)
  • 帰省を生かした見学のしかたと、契約前に確認したいこと
老人ホームの見学で、職員の案内を受けながら、50代の息子と杖をついた80代の父が共用スペースを見て回っているイラスト

先に結論:まずやること5つ

  1. 親の希望と体の状態を整理し、きょうだいとも共有する
  2. 親が住む地域の地域包括支援センターやケアマネジャーに相談する
  3. 介護サービス情報公表システムなどで候補を探し、電話で確認する
  4. 帰省に合わせて見学の予定をまとめ、候補を2〜3か所に絞る
  5. 契約の前に、重要事項説明書で費用と退去の条件を確かめる

最初に決めること:親の地域で探すか、子どもの近くに呼ぶか

遠方の親の施設探しでは、まず「どこで探すか」を決めます。大きく分けて、親が今住んでいる地域で探す方法と、子どもの近くの施設に呼び寄せる方法があります。

  • 親の地域で探す:親は住み慣れた土地や友人の近くで暮らせます。一方で、子どもが面会に行くのに時間がかかります。
  • 子どもの近くに呼ぶ:面会や急な対応がしやすくなります。一方で、親にとっては知らない土地での新しい生活になります。

どちらが良いかは、家庭によって違います。親の気持ちを一番に、きょうだいとも話し合って決めましょう。親との話し方のコツは、親の一人暮らしが心配なときの記事でも紹介しています。

呼び寄せるときに知っておきたい「住所地特例」

介護保険は、原則として住民票のある市区町村が運営しています。ただ、厚生労働省の資料では、介護保険施設や有料老人ホームなどに入所して住民票を移した場合、移す前の市区町村が引き続き保険者となるしくみ(住所地特例)があると説明されています。

どの施設が対象になるかや、手続きの方法は、親が今住んでいる市区町村の介護保険の窓口で確認しましょう。なお、グループホームのような地域密着型サービスは、その市区町村に住む方の利用が基本です。くわしくは、老人ホームの種類と違いの記事で紹介しています。

相談の前に準備したい「親の情報メモ」

遠方から施設を探すときは、電話で相談や問い合わせをする機会が多くなります。親の情報を1枚のメモにまとめておくと、どこに相談しても同じように説明でき、話が早く進みます。

  • 要介護度(要介護認定を受けている場合)と、介護保険被保険者証の有無
  • 持病、飲んでいる薬、かかりつけ医の名前と連絡先
  • 認知症の症状があるかどうか、日常生活で困っていること
  • 食事、トイレ、入浴、歩くことなど、どこまで自分でできるか
  • 親の希望(住みたい地域、個室がいいか、続けたい趣味など)
  • 費用にかけられる金額の目安と、誰が費用を負担するか

このメモは、きょうだいと共有しておくと、話し合いの土台にもなります。見学のときに持っていけば、施設の職員にも親の状態を正確に伝えられます。

遠方からでもできる、老人ホームの探し方

1. 地域包括支援センターやケアマネジャーに相談する

最初の相談先は、親が住んでいる地域の地域包括支援センターです。高齢者の暮らしや介護の相談を受け付ける公的な窓口で、電話で相談できるセンターも多くあります。

すでに介護サービスを使っているなら、担当のケアマネジャー(介護の計画を立てる専門職)に相談しましょう。親の状態をよく知っているので、合いそうな施設の種類や、地域の施設の評判を教えてもらえることがあります。

まだ要介護認定を受けていない場合は、先に申請しておくと、選べる施設の種類がはっきりします。申請のしかたは、要介護認定の申請の流れの記事で紹介しています。

2. 介護サービス情報公表システムで候補を探す

厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」では、全国の介護サービスの事業所や施設を、地域やサービスの種類から探せます。特別養護老人ホームや、介護付きの有料老人ホームなども検索できます。

遠方からでも、自宅のパソコンやスマートフォンで調べられるのが良い点です。気になる施設が見つかったら、電話で空き状況や見学の予約について問い合わせましょう。サービス付き高齢者向け住宅は、国土交通省の「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」でも探せます。

3. 資料請求や紹介のサービスを使う

民間の有料老人ホームなどは、まとめて資料を取り寄せたり、条件に合う施設を紹介してもらえたりするサービスもあります。遠方で何度も通えないときは、資料で候補を比べてから見学先を絞ると、時間を有効に使えます。

こうしたサービスでは、紹介される施設が提携先に限られる場合があります。公的な相談先の意見も聞きながら、比べる材料の1つとして使いましょう。

4. 入院中なら、病院の相談窓口に相談する

親が入院していて、退院後の行き先を探す場合は、病院の相談窓口に相談しましょう。医療ソーシャルワーカー(病院で生活の相談にのる専門職)が、退院後の生活について一緒に考えてくれます。

比較表:老人ホームの探し方

探し方向いている人良い点注意点
地域包括支援センターはじめてで何から始めればいいか分からない人公的な窓口で、地域の事情に詳しい特定の施設をすすめてもらえるとは限らない
ケアマネジャーすでに介護サービスを使っている人親の状態をよく知っている施設探しの相談にどこまで応じるかは人による
介護サービス情報公表システム自分で候補を調べたい人全国の施設を同じ形式で比べられる空き状況や雰囲気は電話や見学で確かめる
資料請求・紹介のサービス遠方で何度も通えない人複数の施設の資料をまとめて比べられる紹介先が提携している施設に限られることがある
病院の相談窓口入院中で退院後の行き先を探す人医療の情報をふまえて相談できる入院中の方が対象

帰省を生かした見学と体験入居

資料や電話だけで決めず、できるだけ見学しましょう。遠方の場合は、帰省の日に合わせて、近い場所の候補をまとめて回ると効率的です。

見学では、次のような点を確かめておくと比べやすくなります。

  • 職員の表情や、入居者への声のかけ方
  • 居室や共用スペースの明るさ、清潔さ、においの気になりにくさ
  • 食事の内容と、食べやすくする工夫
  • 医療が必要になったときや、夜間の対応
  • 面会のしかたと、家族への連絡の方法

有料老人ホームについては、厚生労働省の指針で、体験入居を希望する人に、契約の前に体験入居の機会を確保するよう求められています。親が実際に泊まってみると、食事や生活の雰囲気が合うかを確かめられます。

見学の日に親が同行できない場合は、写真やメモを残して、親やきょうだいと共有しましょう。最終的には、親本人の気持ちを大切にして決めることが大切です。

契約の前に確認したいこと

契約の前には、重要事項説明書(サービスや費用を説明した書面)を必ず受け取り、よく読みましょう。分からない点は、その場で質問して大丈夫です。

  • 費用の総額:月々の費用だけでなく、入居のときにかかる費用や、介護保険の自己負担、日用品などの費用
  • 前払金の扱い:前払金(家賃などをまとめて先に払うお金)がある場合、返してもらえる条件と計算のしかた
  • 退去の条件:どんなときに退去を求められるか(介護や医療の必要が大きくなった場合など)
  • 介護の受け方:ホームが介護を提供するのか、外部のサービスを使うのか

有料老人ホームの前払金には、法律で決まったルールがあります。老人福祉法施行規則では、入居から3か月が経つまでに契約が解除された場合などの返還金の計算方法が定められています。具体的な返還額は、重要事項説明書や契約書で必ず確認してください。

契約の内容について不安がある場合は、消費生活センターに相談することもできます。

よくある質問

親が施設に入ることを嫌がります

住み慣れた家を離れることに、不安を感じるのは自然なことです。いきなり入居の話をするのではなく、「見学だけ行ってみよう」と誘ったり、体験入居から始めたりすると、受け入れやすくなることがあります。

家族から言いにくい場合は、地域包括支援センターの職員やケアマネジャーから話してもらうのも、よい方法です。

見学は何か所くらい行けばいいですか?

決まった数はありませんが、1か所だけだと比べる基準がありません。資料や電話で候補を絞り、2〜3か所を見学して比べると、違いが分かりやすくなります。

どうしても見学に行けないときは?

施設によっては、写真や動画で施設の様子を紹介していたり、オンラインでの相談に応じていたりする場合があります。対応しているかは、施設に問い合わせてみましょう。親の近くに住む親族や知人に、代わりに見てきてもらう方法もあります。

困ったときの相談先

  • 地域包括支援センター:親が住んでいる地域のセンターに、施設の探し方や介護の相談ができます。
  • 市区町村の介護保険の窓口:要介護認定、特養の申し込み方法、住所地特例の手続きなどを確認できます。
  • ケアマネジャー:親の状態に合う施設や、入居までの介護サービスの使い方を相談できます。
  • 消費生活センター(消費者ホットライン188):契約や費用のトラブルが心配なときに相談できます。

介護がまだ始まったばかりで、全体の流れを知りたい方は、介護は何から始めるかの記事も参考にしてください。

まとめ:相談と下調べを先に、見学はまとめて

遠方の親の老人ホーム探しは、まず親の希望と状態を整理し、どこで探すかを決めることから始めます。地域包括支援センターやケアマネジャーに相談しながら、介護サービス情報公表システムなどで候補を探しましょう。

見学は帰省に合わせてまとめて行い、契約の前には重要事項説明書で費用や退去の条件を確かめてください。ひとりで抱え込まず、相談先の力を借りながら進めましょう。

参考にした情報

※情報は2026年10月時点のものです。制度やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトや市区町村でご確認ください。