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老人ホームの種類と違いをわかりやすく解説|親に合う選び方

「親の介護のことを考えて、老人ホームを調べ始めた。でも、種類が多すぎて違いが分からない」。そんなふうに戸惑っていませんか。

特養、老健、有料老人ホーム、サ高住。名前が似ていて、どれが親に合うのか判断しにくいものです。はじめてなら、迷うのは当然です。

この記事では、次の3つが分かります。

  • 老人ホームの主な種類と、それぞれの特徴
  • 種類ごとに、どんな人が入れるのか(比較表つき)
  • 親に合う種類を選ぶときの考え方と、相談先
実家のリビングで、50代の娘と80代の母がソファに並んで座り、老人ホームのパンフレットを一緒に見比べているイラスト

先に結論:まずやること4つ

  1. 親の介護の必要度(要介護度)と、認知症や医療の必要があるかを整理する
  2. 「介護保険施設」と「民間の住まい」の違いを知る
  3. 地域包括支援センターやケアマネジャーに、どの種類が合うか相談する
  4. 候補を2〜3か所に絞り、見学して比べる

老人ホームは大きく3つのグループに分かれる

「老人ホーム」とひとことで言っても、実はいくつもの種類があります。まずは、大きく3つのグループに分けて考えると分かりやすくなります。

  • 介護保険施設:介護保険のしくみで運営される施設です。特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院の3つがあります。
  • 民間の高齢者向けの住まい:有料老人ホームや、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)です。民間の会社などが運営し、種類やサービスの幅が広いのが特徴です。
  • 認知症の方のための住まい:認知症の方が少人数で暮らすグループホームです。

介護保険施設の3つは、厚生労働省の介護サービス情報公表システムで、いずれも要支援1・2の人は利用できないと案内されています。要支援・要介護といった区分は、要介護認定で決まります。認定の受け方は、要介護認定の申請の流れの記事で紹介しています。

種類ごとの特徴と、入れる人

特別養護老人ホーム(特養)

常に介護が必要な方が暮らす施設です。入浴や食事などの日常生活の支援や、機能訓練(体の働きを保つための訓練)、療養上の世話を受けられます。

介護サービス情報公表システムでは、要支援1・2の人は利用できず、新たに入る要介護1・2の人も、やむを得ない理由がある場合をのぞいて利用できないと説明されています。厚生労働省の資料でも、平成27年4月から、新たに入所できるのは原則として要介護3以上の方とされています。

介護老人保健施設(老健)

自宅に戻ることを目指す方のための施設です。リハビリテーションや必要な医療、介護を受けながら、できるだけ自立した生活を送れるように支えます。

入院していた親が、退院後すぐに自宅で暮らすのが不安なときに、検討されることが多い施設です。長く住み続ける場所というより、自宅に戻るまでの準備の場と考えると分かりやすいでしょう。

介護医療院

長いあいだ療養が必要な方のための施設です。療養上の管理や看護、介護、機能訓練、そのほか必要な医療と、日常生活のサービスを受けられます。

医療の必要が大きく、介護も必要な方が対象です。親に持病があり、医療的なケアを続けて受けたい場合の選択肢になります。

有料老人ホーム(介護付・住宅型・健康型)

民間の会社などが運営する、高齢者向けの住まいです。厚生労働省の指針では、次の3つの類型(タイプ)に分けられています。

  • 介護付:介護が必要になっても、ホームが提供する介護サービス(特定施設入居者生活介護)を利用しながら、居室で暮らし続けられます。この指定を受けていないホームは「介護付」と表示できません。
  • 住宅型:生活支援などのサービスが付いた住まいです。介護が必要になったら、入居者が自分で選んだ地域の訪問介護などを利用しながら暮らします。
  • 健康型:食事などのサービスが付いた住まいです。介護が必要になったときは、契約を解除して退去しなければなりません。

同じ「有料老人ホーム」でも、介護の受け方が大きく違います。パンフレットや重要事項説明書(契約の前に渡される、サービスや費用を説明した書面)で、どの類型かを必ず確かめましょう。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

高齢者の一人暮らしや夫婦が住める、賃貸などの住まいです。国土交通省の情報提供システムでは、バリアフリー構造で、ケアの専門家による安否確認や生活相談のサービスを提供する住宅と説明されています。

介護サービスは、住宅ごとに受け方が異なります。外部の事業所と契約して訪問介護などを使う場合が多いため、介護が重くなったときにどうなるかを、入居前に確認しておくと安心です。

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

認知症の方が、介護スタッフと一緒に少人数で暮らす住まいです。介護サービス情報公表システムでは、1つの住まいに5〜9人の利用者が、家庭的な環境のもとで共同生活を送ると説明されています。

グループホームは「地域密着型サービス」の1つです。介護サービス情報公表システムでは、地域密着型サービスは、事業所がある市区町村に住む方の利用が基本とされています。離れて暮らす親の近くに呼び寄せたい場合は、市区町村の窓口で利用できるかを確認しましょう。

比較表:老人ホームの種類と違い

主な種類を、表にまとめました。入れる人の条件は、介護サービス情報公表システムなどの説明をもとにしています。細かい条件は施設ごとに異なるので、必ず各施設に確認してください。

種類主な目的入れる人の目安介護の受け方
特別養護老人ホーム常に介護が必要な方の生活の場原則として要介護3以上施設の職員から受ける
介護老人保健施設自宅に戻るためのリハビリ要介護1以上施設の職員から受ける
介護医療院長期の療養と医療要介護1以上施設の職員から受ける
介護付有料老人ホーム介護を受けながら暮らす住まいホームによって異なるホームが提供する介護サービス
住宅型有料老人ホーム生活支援付きの住まいホームによって異なる外部の介護サービスを自分で選ぶ
サービス付き高齢者向け住宅安否確認と生活相談付きの住まい住宅によって異なる外部の介護サービスを使うことが多い
グループホーム認知症の方の少人数の共同生活認知症で要支援2以上住まいの介護スタッフから受ける

親に合う種類を選ぶ3つの視点

1. 介護がどのくらい必要か

まずは、親の要介護度を確認しましょう。たとえば、特養は原則として要介護3以上です。まだ介護がそれほど必要でなければ、住宅型の有料老人ホームやサ高住が候補になります。

要介護認定をまだ受けていない場合は、先に申請しておくと、選べる種類がはっきりします。介護全体の始め方は、介護は何から始めるかの記事で紹介しています。

2. 医療や認知症のケアが必要か

持病があり、医療的なケアを続けて受けたい場合は、介護医療院などが選択肢になります。認知症の症状がある場合は、グループホームや、認知症の方を受け入れている施設を探します。

医療や認知症のケアの内容は、施設によって大きく違います。かかりつけ医やケアマネジャー(介護の計画を立てる専門職)に、親の状態に合う施設の条件を聞いておきましょう。

3. どこに住むか、費用をどうするか

親が今住んでいる地域で探すのか、子どもの近くに呼び寄せるのかで、候補は変わります。遠方から探すときの進め方は、遠方から老人ホームを探す方法の記事でくわしく紹介しています。

費用も大切な視点です。介護サービス情報公表システムでは、特養を利用するときは、施設サービス費のほかに、居住費・食費・日常生活費などがかかると説明されています。有料老人ホームでは、入居のときに前払金(家賃などをまとめて先に払うお金)が必要なホームもあります。

費用は、月々の金額だけでなく、入居のときにかかるお金も合わせて、総額で比べるようにしましょう。

困ったときの相談先

  • 地域包括支援センター:介護や暮らしの最初の相談先です。親が住んでいる地域のセンターに、施設の種類や探し方を相談できます。
  • ケアマネジャー:すでに介護サービスを使っている場合は、担当のケアマネジャーに、親の状態に合う施設を相談しましょう。
  • 市区町村の介護保険の窓口:特養の申し込み方法や、地域密着型サービス(グループホームなど)を利用できるかを確認できます。
  • 入院中の病院の相談窓口:退院後の行き先に迷うときは、医療ソーシャルワーカー(病院で生活の相談にのる専門職)に相談できます。

親が一人で暮らしていて、施設を考えるほどではないものの心配、という段階なら、親の一人暮らしが心配なときの記事も参考にしてください。

まとめ:種類の違いを知ってから、相談と見学へ

老人ホームは、介護保険施設(特養・老健・介護医療院)、民間の住まい(有料老人ホーム・サ高住)、認知症の方のグループホームに大きく分かれます。それぞれ、入れる人の条件や介護の受け方が違います。

まずは親の要介護度や、医療・認知症のケアが必要かを整理しましょう。そのうえで、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談し、候補を絞って見学するのがおすすめです。ひとりで抱え込まず、専門家の力を借りながら進めてください。

参考にした情報

※情報は2026年10月時点のものです。制度やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトや市区町村でご確認ください。