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要介護認定の申請の流れ|家族ができる準備と当日のポイント

「親に介護保険のサービスを使ってほしい。でも、要介護認定ってどうやって申請するの?」。はじめての手続きは、何から手をつければいいか分かりにくいものです。

書類や調査と聞くと、むずかしく感じるかもしれません。でも、流れを知っておけば、家族が落ち着いて準備できることはたくさんあります。

この記事では、次の3つが分かります。

  • 要介護認定とは何か、申請から結果が届くまでの流れ
  • 申請の前に、家族ができる準備
  • 訪問調査の日のポイントと、結果が出たあとにすること
市役所の介護保険の窓口で、50代の男性が職員と一緒に申請の書類を穏やかに確かめているイラスト

先に結論:まずやること5つ

  1. 親が住んでいる市区町村の窓口に、要介護認定を申請する
  2. 介護保険被保険者証と、かかりつけ医の情報を用意する
  3. 困っていることを、日ごろからメモにまとめておく
  4. 訪問調査の日は、できるだけ家族も立ち会う
  5. 結果が出たら、ケアマネジャーや地域包括支援センターと次の相談をする

要介護認定とは

要介護認定とは、介護がどのくらい必要かを判定するしくみです。介護保険のサービス(ホームヘルパーやデイサービスなど)を使うためには、この認定を受ける必要があります。

厚生労働省のサイトでは、判定の結果は「要支援1」から「要介護5」までの段階で示されると説明されています。どの段階になるかによって、使えるサービスの種類や量が変わります。

介護が必要かもしれないと感じたときに、家族がまずやることの全体は、介護は何から始めるかの記事で紹介しています。

申請から結果が届くまでの流れ

要介護認定は、大まかに次の順番で進みます。

  1. 市区町村の窓口に申請する
  2. 調査員が親の心身の状態を調べる(認定調査)
  3. かかりつけ医が意見書を書く(主治医意見書)
  4. コンピュータによる判定(一次判定)
  5. 専門家による判定(二次判定)
  6. 結果が届く

1. 市区町村の窓口に申請する

申請は、親が住んでいる市区町村の窓口で行います。厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、申請には介護保険被保険者証が必要とされています。40〜64歳の方は、医療保険証が必要です。

親が窓口に行くのがむずかしい場合や、申請のしかたで迷った場合は、地域包括支援センターに相談してみましょう。家族からの相談や、電話での相談を受け付けているセンターが多くあります。

2. 認定調査

厚生労働省の資料では、要介護認定は、まず市町村の認定調査員による心身の状況の調査(認定調査)と、主治医意見書にもとづいて判定が行われると説明されています。

たとえば千葉県船橋市の公式サイトでは、認定調査員が自宅などを訪問し、心身の状態について、本人や家族などから聞き取りを行うと案内されています。調査の日程の決め方や進め方は、自治体によって異なる場合があるので、親が住んでいる市区町村で確認しましょう。

3. 主治医意見書

かかりつけ医が、親の心身の状態について意見書を書きます。厚生労働省の資料では、この主治医意見書は、一次判定と二次判定の両方で使われると説明されています。

船橋市の公式サイトでは、申請書に書いた主治医に市から意見書の作成を依頼し、意見書は医師から直接市に返送されると案内されています。家族が意見書を受け取って届ける必要がない自治体もありますが、手続きは自治体によって異なる場合があります。申請のときに、かかりつけ医の名前や病院を伝えられるようにしておきましょう。かかりつけ医がいない場合は、窓口で相談してください。

4・5. 一次判定と二次判定

厚生労働省のサイトによると、まず認定調査の結果をもとに、コンピュータで一次判定が行われます。その結果を原案として、保健・医療・福祉の専門家が二次判定を行います。二段階で判定するのは、客観的で公平な判定のためと説明されています。

6. 結果が届く

厚生労働省の介護サービス情報公表システムのサイトでは、申請から認定の通知までは原則30日以内とされています。

船橋市の公式サイトでは、認定結果の通知と、認定の内容が書かれた介護保険被保険者証が、住民票の住所(送付先を届けている場合はその住所)に郵送されると案内されています。30日を超える場合は、その理由と認定の見込み日を書いた延期の通知が届くとされています。通知の方法は自治体によって異なる場合があるので、申請のときに確かめておくと安心です。

申請の前に、家族ができる準備

少しの準備で、調査のときに親の様子を正しく伝えやすくなります。次のことを、できる範囲で進めておきましょう。

用意しておくもの

  • 介護保険被保険者証(65歳以上の方に、市区町村から届いているもの)
  • かかりつけ医の名前と、病院の名前・連絡先
  • 飲んでいる薬が分かるもの(お薬手帳など)
  • 申請する人の身分を確かめる物など、窓口で求められるもの(事前に市区町村で確認する)

困っていることをメモにまとめる

日ごろの困りごとを、具体的にメモしておきましょう。「いつ」「どんなときに」「どのくらい」困っているかを書いておくと、調査のときに伝えやすくなります。

  • 例:夜中にトイレへ行くとき、ふらついて壁につかまっている
  • 例:週に2〜3回、薬を飲み忘れる
  • 例:お風呂は、浴槽をまたぐのがこわくて、シャワーだけにしている
  • 例:同じ物を何度も買ってくる

離れて暮らしている場合は、帰省のときや電話で気づいたことを、日付と一緒に書きためておくと役立ちます。

窓口で聞いておきたいこと

申請の手続きや必要なものは、市区町村によって細かな違いがあることもあります。申請の前に電話で問い合わせるか、窓口で次のようなことを聞いておくと安心です。

  • 申請に必要なもの(被保険者証のほかに、何を持っていけばよいか)
  • 家族が代わりに申請するときに、必要なものはあるか
  • 訪問調査の日程は、どのように決まるか
  • かかりつけ医がいない場合は、どうすればよいか
  • 結果は、いつごろ、どのように届くか

聞いた内容は、メモに残して家族で共有しておきましょう。担当の部署の名前や電話番号も控えておくと、次に問い合わせるときに便利です。

申請から結果までの、家族のチェックリスト

家族がやることを、時間の流れにそってまとめました。印刷したり、スマートフォンのメモに写したりして使ってください。

  1. 親と話し、申請することに納得してもらう
  2. 被保険者証、かかりつけ医の情報、お薬手帳を用意する
  3. 困りごとのメモをつくる(いつ・どんなときに・どのくらい)
  4. 市区町村の窓口に申請する(迷ったら地域包括支援センターに相談)
  5. 訪問調査の日程を確認し、家族が立ち会えるよう予定を合わせる
  6. 調査の日に、メモを使ってふだんの様子を伝える
  7. 結果が届いたら、内容を家族で共有する
  8. 結果に応じて、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談する

一度にすべてをこなす必要はありません。家族で分担しながら、ひとつずつ進めていきましょう。

訪問調査の日のポイント

訪問調査の日は、できるだけ家族も立ち会いましょう。親だけだと、困っていることをうまく伝えられないことがあります。

調査の前日までにしておくこと

調査の前に、親と「どんなことを聞かれそうか」「困っていることは何か」を一緒に話しておくと、親も落ち着いて答えやすくなります。用意したメモは、調査員にすぐ渡せるよう手元に置いておきましょう。部屋を特別に片付けすぎず、ふだんの暮らしの様子が伝わるようにしておくことも大切です。

親が「できる」と言ってしまうことも

調査員を前にすると、親が張り切って「自分でできます」と答えてしまうことがあります。親の気持ちを大切にしながら、ふだんの様子と違うと感じたら、あとで家族から調査員に伝えましょう。

その場で親の言葉を否定すると、親が傷ついてしまいます。用意したメモを渡す、親がいない所で補足するなど、伝え方を工夫しましょう。

ふだんの様子をそのまま伝える

調子のよい日と悪い日がある場合は、その両方を伝えましょう。「よいときはできるが、悪いときは手伝いが必要」というように、具体的に話すことが大切です。

結果が出たあとにすること

結果によって、次に相談する相手が変わります。

  • 要介護1〜5:ケアマネジャー(介護支援専門員)と、どんなサービスを使うかの計画を立てる
  • 要支援1・2:地域包括支援センターに相談し、介護予防のサービスの計画を立てる
  • 非該当:市区町村や地域包括支援センターに相談し、使える支援を探す

介護サービス情報公表システムのサイトでは、要支援1・2の方の計画は地域包括支援センターに相談すること、非該当の場合は市区町村または地域包括支援センターに相談することが案内されています。

結果に納得できないときや、親の状態が変わったときの手続きは、市区町村の介護保険の窓口に相談してください。

よくある質問

親が申請を嫌がります

「介護」という言葉に抵抗を感じる親もいます。「楽に暮らすための手助けを受けられるか、調べてもらうだけ」と伝えると、受け入れやすくなることがあります。地域包括支援センターの職員から話してもらうのも、よい方法です。

遠くに住んでいて、調査に立ち会えません

立ち会えない場合は、困りごとのメモを事前に用意して、親や近くの家族から調査員に渡してもらいましょう。調査の日程を決めるときに、家族が立ち会える日を相談できるか、窓口で確かめてみるのもよい方法です。

入院中でも申請できますか?

入院中の申請や調査の進め方は、病院の相談窓口(医療ソーシャルワーカーなど)や、市区町村の窓口に確認しましょう。退院後の生活に向けて、早めに相談しておくと安心です。

困ったときの相談先

  • 市区町村の介護保険の窓口:申請の受付、必要なもの、結果についての相談
  • 地域包括支援センター:申請のしかたや、介護のことの最初の相談先(親が住んでいる地域のセンター)
  • かかりつけ医:主治医意見書や、体の状態について

親の様子の見守り方については、親の一人暮らしが心配なときの記事も参考にしてください。

まとめ:流れを知って、落ち着いて準備を

要介護認定は、市区町村の窓口に申請し、認定調査と主治医意見書をもとに、一次判定と二次判定を経て決まります。厚生労働省のサイトでは、申請から通知までは原則30日以内とされています。

家族は、困りごとのメモや必要なものを準備し、調査の日にはできるだけ立ち会いましょう。迷ったときは、ひとりで抱え込まず、地域包括支援センターや市区町村の窓口に相談してください。

参考にした情報

※情報は2026年10月時点のものです。制度やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトや市区町村でご確認ください。