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遠距離介護は何から始める?離れて暮らす親の介護の順番

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「親が転んで入院した」「電話の声に元気がない」。離れて暮らす親の変化に気づいたとき、すぐに駆けつけられない距離にいると、何から始めればいいか分からなくなりますよね。

遠距離介護は、家族がすべてを自分でやろうとすると続きません。親が住む地域の窓口や専門家に早めにつながり、家族は「離れていてもできること」を分担するのが基本です。

この記事では、次の3つが分かります。

  • 遠距離介護を始めるときの、判断の順番
  • ケアマネジャーとの連携や、帰省・見守り・費用の分担の決め方
  • 仕事を続けながら介護するための制度(介護休業・介護休暇など)

結論:遠距離介護を始める順番

  1. 親の今の状態と、困っていることを確かめる
  2. 親が住む地域の地域包括支援センターに、家族から電話で相談する
  3. 必要なら要介護認定を申請し、ケアマネジャーと連絡の取り方を決める
  4. 帰省の頻度、見守りの方法、費用の分担を、きょうだいで決める
  5. 仕事を休む必要があるときは、介護休業・介護休暇などの制度を確かめる

まず、親の状態と困りごとを確かめる

電話や帰省のときに、親の暮らしで困っていることを具体的に聞き取ります。

  • 食事、入浴、トイレ、着替えなど、身の回りのことが自分でできているか
  • 買い物、料理、掃除、ごみ出し、薬の管理ができているか
  • 転んだことや、物忘れが増えたと感じることはないか
  • 通院している病院と、かかりつけ医はどこか
  • 近くに頼れる親戚や、近所の方がいるか

入院した場合は、病院の医療ソーシャルワーカー(入院・退院の相談にのる専門職)に、退院後の暮らしについて相談できます。退院の前に、家族がいつ、どこで話を聞けるかを確かめておきましょう。

親が住む地域の地域包括支援センターに相談する

最初の相談先は、子どもの住む地域ではなく、親が住んでいる地域の地域包括支援センターです。

地域包括支援センターは、高齢者の介護や暮らしの総合的な相談窓口で、市区町村が設置しています。家族からの電話の相談も受け付けています。担当の窓口は、親の住所で決まるので、市区町村のサイトや役所の介護保険の窓口で確かめましょう。

相談のときは、親の名前、住所、年齢、困っていること、家族の連絡先を伝えます。要介護認定(介護保険のサービスを使うために必要な認定)の申請の手伝いや、使えるサービスの案内をしてもらえます。

介護の始め方の全体の流れは、介護は何から始めるかの記事で説明しています。

ケアマネジャーとの連携の仕方を決める

離れていても状況が分かるように、ケアマネジャーとの連絡の方法とタイミングを最初に決めておきます。

要介護認定を受けると、ケアマネジャー(介護の計画を立て、サービスを調整する専門職)が決まります。遠距離介護では、ケアマネジャーが家族にとっての大切な情報源になります。

  • 連絡の担当:きょうだいのうち、誰がケアマネジャーと連絡を取るかを1人に決めます。
  • 連絡の方法:電話、メールなど、どの方法なら連絡しやすいかを伝えておきます。
  • 話し合いへの参加:サービスを決める話し合いに、帰省に合わせて参加したり、電話で加わったりできるか相談します。
  • 家族の希望:家族ができること、できないこと(帰省の頻度など)を正直に伝えます。

帰省の頻度・見守り・費用の分担を決める

無理のない帰省の頻度を決め、帰省しない日は見守りの仕組みで補います。

帰省の頻度と、帰省のときにすること

頻度よりも、続けられることを優先します。

毎週の帰省は、仕事や家族の事情で長く続けにくいものです。「月に1回」「2か月に1回」など、続けられる頻度を決めましょう。帰省のときは、冷蔵庫の中身や郵便物、家の様子を確かめ、ケアマネジャーとの話し合いや通院の付き添いを合わせて済ませると効率的です。

見守りの方法

電話の時間を決める、見守りのサービスを使うなど、親の負担にならない方法を選びます。

毎日決まった時間に電話をする、近所の方に気にかけてもらう、見守りの機器を使うなど、方法はいくつかあります。見守りの方法の選び方は、離れて暮らす親のひとり暮らしが心配なときの記事で紹介しています。

費用の分担

介護の費用は、まず親の年金や貯金から出すことを基本に、足りない分の分担をきょうだいで話し合います。

介護サービスの自己負担や、帰省の交通費など、遠距離介護では費用がかさみます。親のお金でどこまでまかなえるか、交通費を誰が負担するかを、最初に話し合っておきましょう。かかった費用を記録し、家族で共有すると、あとで行き違いが起きにくくなります。

仕事との両立:介護休業と介護休暇

仕事をすぐに辞めず、まず勤め先の制度と、国の制度を確かめます。

厚生労働省のサイトでは、育児・介護休業法の制度として、次のように案内されています(2026年10月20日に確認)。

  • 介護休業:介護が必要な家族1人につき、3回まで、通算93日まで休める制度です。介護の体制を整えるための期間として使われます。
  • 介護休暇:介護が必要な家族が1人なら1年に5日まで、2人以上なら10日まで休める制度です。1日単位か時間単位で取れるので、ケアマネジャーとの打ち合わせや通院の付き添いにも使えます。
  • 介護休業給付金:雇用保険に入っていて一定の要件を満たす方は、介護休業の期間中に、休業を始めたときの賃金日額の67%相当額が支給されます(ハローワークのサイトで確認)。

勤め先によっては、法律の内容に加えて独自の制度があることもあります。使えるかどうかや手続きは、勤め先の人事の担当者に確かめましょう。

介護の方法やサービスの選び方など、個別の判断が必要なことは、地域包括支援センターやケアマネジャーなどの専門家に相談してください。制度の使い方は、勤め先や、都道府県労働局の窓口でも相談できます。

帰省できないときに頼める、介護保険外のサービス

家族が行けないときの付き添いや見守りは、費用を全額自分で払う介護保険外のサービスで補う方法もあります。

介護保険のサービスは、使える内容や時間に決まりがあります。使う前に、ケアマネジャーに、介護保険のサービスで足りないことは何かを相談しておくと、選びやすくなります。どちらのサービスも、対象の地域が決まっています。

例:イチロウ

介護保険外の介護サービスを提供しているサービスです。自宅での介護や家事、通院や外出の付き添い、夜間の見守りなどを、時間単位で頼めます。

対象地域は、東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・愛知県・大阪府・兵庫県・京都府です。同じ都府県の中でも対応できない地域がある場合があるので、親が住んでいる住所が対象かどうか、事前に問い合わせて確かめてください。

料金のめやす(1時間あたり・税込)

  • 日中(9時〜18時):3,740円(必要なときだけ使う「ライトプラン」。定期的に使う方向けで担当者が付く「コンシェルジュプラン」は3,960円)
  • 夜間(18時〜翌9時):4,488円(コンシェルジュプランは4,752円)
  • 利用は1回2時間から、その後は15分単位で延長できます。交通費が1回990円かかり、請求がある月には事務手数料278円がかかります。
  • 前日の15時までの予約の料金です。前日の15時以降の予約は1.4倍、12月29日〜1月3日の利用は基本料金の1.2倍になります。

介護保険外のサービスは、費用の全額が自己負担です。使う時間や回数を決めてから相談しましょう。

※料金や条件は、2026年10月20日に公式サイトで確認した内容です。変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。

公式サイトはこちら

例:クラウドケア

介護保険外の訪問介護(自費の訪問介護)を、インターネットで頼めるサービスです。家事や通院・外出の付き添い、見守り、話し相手などを頼めます。

対象地域は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・京都府・兵庫県です(愛知県は対象外)。同じ都府県の中でも対応していない地域があるので、親が住んでいる住所が対象かどうか、事前に公式サイトで確かめてください。

料金のめやす(1時間あたり・税込)

  • 定期(1週間に1回):2,750円
  • 定期(2週間に1回):3,080円
  • 必要なときだけ頼む(スポット):3,300円
  • スポットは1時間から、定期は2時間から。利用日時の96時間前を過ぎてからの依頼は、依頼のタイミングに応じて基本料金の20〜60%の割り増しになります。夜10時から朝8時までは10%の割り増しです。交通費は880円です。

介護保険外のサービスは、費用の全額が自己負担です。使う時間や回数を決めてから申し込みましょう。

※料金や条件は、2026年10月20日に公式サイトで確認した内容です。変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。

公式サイトはこちら

困ったときの相談先

介護のことは親が住む地域の窓口、仕事のことは勤め先と労働局に相談できます。

  • 地域包括支援センター(親が住む地域):介護や暮らしの総合的な相談、要介護認定の申請の手伝い。
  • ケアマネジャー:介護サービスの計画と調整、家族との連絡。
  • 市区町村の介護保険の窓口:要介護認定の申請や、介護保険の制度について。
  • 病院の医療ソーシャルワーカー:入院中や退院後の暮らしについて。
  • 勤め先の人事の担当・都道府県労働局:介護休業や介護休暇などの制度について。

まとめ

親が住む地域の窓口に早めにつながり、家族は離れていてもできることを分担しましょう。

遠距離介護は、親が住む地域の地域包括支援センターへの相談から始まります。ケアマネジャーとの連絡の方法、帰省の頻度、見守り、費用の分担を決めておくと、慌てずに対応できます。

仕事を続けながら介護するための制度もあります。ひとりで抱え込まず、きょうだいや専門家と一緒に進めてください。将来、施設を考えるときは、遠方に住む親の施設を探す記事や、親が施設を嫌がるときの対応の記事も参考にしてください。

参考にした情報

※情報は2026年10月時点のものです。制度やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトや市区町村でご確認ください。