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親の一人暮らしが心配…何から始める?今日からできる5つのこと

「最近、電話の声に元気がない気がする」「実家に帰ったら、部屋が少し散らかっていた」。離れて暮らす親の一人暮らしが、急に心配になることはありませんか。

心配はあっても、何から手をつければいいのか分からない。そのまま時間がたってしまう方も多いと思います。

内閣府の「令和8年版高齢社会白書」によると、65歳以上の人のうち一人暮らしの人の割合は、令和2年に男性15.0%、女性22.1%でした。昭和55年は男性4.3%、女性11.2%だったので、大きく増えています。親の一人暮らしは、今、多くの家族が向き合っていることなのです。

この記事では、次の3つが分かります。

  • 親の一人暮らしで気をつけたい「心配なサイン」
  • 親を傷つけずに、これからのことを話すコツ
  • 今日からできる見守りの方法と、困ったときの相談先
自宅のリビングのソファで、50代の女性がスマホを手に、離れて暮らす母親のことを思いながら穏やかに微笑んでいるイラスト

先に結論:まずやること5つ

  1. 電話やLINEで、連絡の回数を少し増やす
  2. 帰省したときに、家の中や体調の変化を見ておく
  3. 親の気持ちを聞きながら、これからのことを話す
  4. 電話・見守りサービス・見守りカメラなどから、親に合う見守り方法を選ぶ
  5. 親が住んでいる地域の「地域包括支援センター」を調べておく

親の一人暮らしで気をつけたい「心配なサイン」

心配なサインは、毎日の小さな変化にあらわれることがあります。電話のときや帰省したときに、次のような点を見てみましょう。

電話やLINEで気づくこと

  • 同じ話を何度もくり返すようになった
  • 約束や予定を忘れることが増えた
  • 声に元気がなく、話すのがおっくうそう
  • 電話に出ないことや、折り返しが遅いことが増えた
  • 「知らない人から電話があった」「高い物を買った」という話が出る

どれか1つに当てはまっても、すぐに大きな問題があるとは限りません。大切なのは、いつもと比べて「変わったな」と感じることが続いていないかです。

実家に帰ったときに見ておきたいこと

  • 冷蔵庫に、賞味期限切れの食品や同じ物がたくさん入っている
  • 郵便物や請求書が、開けられないままたまっている
  • 掃除や片付けが、以前よりできていない
  • 薬が飲み残されている
  • 段差や電気のコードなど、つまずきやすい場所がある
  • 見慣れない健康食品や、契約書が置いてある

気になるサインがあったら

体調やもの忘れが気になるときは、家族だけで判断しないことが大切です。かかりつけ医や、後で紹介する地域包括支援センターに相談しましょう。

不審な電話や訪問販売、契約のトラブルが心配なときは、「消費者ホットライン」188に相談できます。郵便番号などを入力すると、近くの市区町村や都道府県の消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。相談は無料ですが、通話料はかかります。

まずは親と話してみましょう(伝え方のコツ)

心配な気持ちが強いと、「もう一人暮らしは無理じゃない?」と言いたくなるかもしれません。でも親にとっては、長く暮らしてきた家での生活を否定されたように感じることがあります。まずは、親の気持ちを聞くことから始めましょう。

話を切り出すときのコツ

  • 「心配だから」ではなく、「最近どう?」と近況を聞くところから始める
  • 責めたり、決めつけたりしない
  • 一度で結論を出そうとしない
  • 親が「できていること」も、きちんと認めて伝える
  • きょうだいがいる場合は、先に考えを話し合っておく

少しずつ聞いておきたいこと

  • 体調のこと、通っている病院、飲んでいる薬
  • 困っていること、不安に思っていること
  • いざというときの連絡先(近所の人、かかりつけ医など)
  • これから、どこでどのように暮らしたいか

全部を一度に聞く必要はありません。電話や帰省のたびに、少しずつ話していきましょう。

話しかけ方の例

言い方を少し変えるだけで、親が受け止めやすくなることがあります。たとえば、次のような言い方です。

  • ×「一人だと危ないから、何か考えないと」 → ○「最近、困っていることはない?」
  • ×「物忘れがひどくなったんじゃない?」 → ○「この前の話、もう一回聞いてもいい?」
  • ×「カメラを付けるからね」 → ○「顔を見て話せると安心だから、一緒に使い方を考えたいな」

ポイントは、「親のため」だけでなく「自分が安心したい」という気持ちも素直に伝えることです。親も「子どもを安心させるためなら」と、受け入れやすくなることがあります。

話しにくいときは、「テレビで見たんだけど」「友だちの親がね」など、ほかの話題をきっかけにすると切り出しやすくなります。

今日からできる見守りの方法

見守りの方法には、家族ができることから、サービスや機器を使うものまで、いろいろあります。親の暮らし方や気持ちに合わせて、組み合わせて使いましょう。

電話やLINEで、連絡の習慣をつくる

いちばん手軽なのは、連絡する日を決めておくことです。「毎週日曜の夜に電話する」のように決めると、お互いに続けやすくなります。

親がスマートフォンを使えるなら、LINEのビデオ通話もおすすめです。顔色や部屋の様子が見えるので、声だけでは気づきにくい変化に気づけることがあります。

見守りサービスを使う

見守りサービスには、いくつかの種類があります。たとえば、スタッフが定期的に訪問や電話をするもの、電気・ガスや家電の使い方から生活の様子を知らせるもの、ボタンを押すと通報できるものなどです。

多くの自治体で、配食や緊急通報などの見守りサービスが行われています。内容や利用条件は自治体ごとに違うため、親御さんがお住まいの市区町村の窓口やホームページで確認してください。

見守りカメラを使う

見守りカメラは、部屋の様子をスマートフォンで確認できる機器です。会話ができるものや、動きがあると知らせてくれるものもあります。

ただし、「見られている」と感じて嫌がる親もいます。置く場所や使い方は、必ず親と話し合い、納得してもらってから決めましょう。

見守り方法の選び方

どの方法がよいかは、親の体調や暮らし方、親の気持ちによって違います。選ぶときの目安を表にまとめました。

方法向いている場合気をつけたいこと
電話・LINEまだ元気で、会話を楽しめる連絡が途切れると変化に気づきにくい
見守りサービス毎日の様子を、さりげなく知りたいサービスごとに内容や費用が違う
見守りカメラ部屋の様子や、顔を見て確認したい親の同意と、置く場所の配慮が必要
近所・地域のつながりすぐに駆けつけられない距離に住んでいる頼りすぎず、お礼や連絡を欠かさない

ひとつに決める必要はありません。たとえば「週に1回の電話」と「見守りサービス」を組み合わせるなど、無理なく続けられる形を探しましょう。

近所や地域とのつながりを大切にする

離れて暮らしていると、何かあってもすぐには駆けつけられません。親の近所の人や親しい友人と連絡先を交換しておくと、いざというときに心強いです。

地域には「民生委員」もいます。民生委員は、厚生労働大臣から委嘱され、地域で住民の相談にのり、必要な支援につなぐ役割の人です。民生委員について知りたいときは、市区町村の福祉の担当窓口に問い合わせてください。

困ったときの相談先は「地域包括支援センター」

親のことで困ったときに、まず頼れるのが「地域包括支援センター」です。高齢の方の暮らしを支えるための相談窓口で、市町村が設置しています。

センターには、原則として保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員(経験を積んだケアマネジャー)が置かれています。健康や介護のこと、暮らしや権利を守ることなど、幅広い相談にのってもらえます。

相談するときのポイント

  • 相談先は、親が住んでいる地域のセンターです
  • 場所は、親が住んでいる市区町村の役所やホームページで確認できます
  • 家族からの相談や、電話での相談を受け付けているセンターが多くあります。事前に電話で確認しておくと安心です
  • 相談したい内容を、先に電話で伝えておくと話がスムーズです

相談の前に整理しておくとよいこと

相談のときに、次のようなことをメモしておくと、話がスムーズに進みます。分かる範囲でかまいません。

  • 親の年齢、住所、一緒に住んでいる人の有無
  • 気になっている変化と、いつごろからか
  • 通っている病院、飲んでいる薬
  • 家族が手伝えること、手伝えないこと(住んでいる場所、仕事の状況など)

介護が必要かもしれないときは

介護保険のサービスを使うには、「要介護認定」の申請が必要です。要介護認定とは、介護がどのくらい必要かを市区町村が判定するしくみです。

申請は、親が住んでいる市区町村の窓口でできます。厚生労働省のサイトでは、申請から認定の通知までは原則30日以内とされています。申請のしかたで迷ったら、地域包括支援センターに相談してみましょう。

病気や介護について、どんなサービスが必要かは、一人ひとり違います。個別の判断は、かかりつけ医や地域包括支援センターなどの専門家に相談してください。

まとめ:ひとりで抱え込まず、できることから

親の一人暮らしが心配になったら、まずは連絡を増やして、変化に気づけるようにすることから始めましょう。そのうえで、親の気持ちを聞きながら、合う見守りの方法を一緒に考えていくことが大切です。

心配なことがあれば、ひとりで抱え込まず、地域包括支援センターに相談してください。専門家と一緒に考えることで、親にも子どもにも無理のない形を見つけやすくなります。

参考にした情報

※情報は2026年10月時点のものです。制度やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトや市区町村でご確認ください。