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親を還付金詐欺から防ぐ|帰省で確かめる電話の対策と相談先

ニュースで詐欺の被害を聞くたびに、「うちの親は大丈夫だろうか」と心配になりますよね。一人で暮らしている親なら、なおさらです。

詐欺の電話は、手口を知っていて、犯人と話さない仕組みを作っておくことで、防ぎやすくなります。帰省のときに、親と一緒に電話のまわりを確かめておきましょう。

この記事では、次の3つが分かります。

  • 還付金詐欺などの手口と、帰省のときに確かめること
  • 留守番電話や防犯機能付きの電話など、犯人と話さないための対策
  • 被害にあったかもしれないときに、すぐやることの順番と相談先
帰省した娘が、実家の居間で母と並んで、固定電話の設定や留守番電話の使い方を一緒に確かめているイラスト

結論:犯人と話さない仕組みを作り、お金の話は一度切って確かめる

  1. 「ATMでお金が戻ることはない」と、親と一緒に確かめ合う
  2. 着信の履歴や留守番電話、気になる郵便物やメモを、親の了解を得て一緒に見る
  3. 留守番電話や防犯機能付きの電話、国際電話の利用休止で、犯人と話さない仕組みを作る
  4. 「電話でお金の話が出たら、一度切って家族にかけ直す」と約束する
  5. 被害にあったかもしれないときは、すぐに金融機関と警察に連絡する

還付金詐欺とほかの手口を知っておく

還付金詐欺は、「お金が戻る」と言って親をATMに行かせ、犯人の口座にお金を振り込ませる手口です。

警察庁によると、犯人は市区町村や税務署、年金事務所の職員などと名乗ります。「医療費や保険料の払い過ぎがある」「年金の一部が未払いになっている」などと電話をかけてきます。

そして、「払い戻しの期限が今日まで」と焦らせ、携帯電話を持って近くのATMに行くよう指示します。言われたとおりにATMを操作すると、実際には犯人にお金を振り込んでしまいます。

警察庁が紹介している例では、「以前に青色の封筒を送りましたが、ご確認されていないですか」と、本当らしい話から始まります。親が「見落としたかも」と思うと、そのまま信じてしまいやすくなります。

警察庁は、「ATMでお金が返ってくることは、絶対にありません」と注意を呼びかけています。この一言を、親と一緒に覚えておきましょう。

家族や警察官を名乗る手口も多い

息子や孫を名乗り、「風邪をひいて声が変わった」「携帯電話が壊れて番号が変わった」と言ってから、お金を求める手口もあります。最近は、警察官を名乗って「口座が悪用されている」などと話す手口も増えています。

警察庁の発表では、2025年の特殊詐欺(電話などで相手を信じ込ませてお金をだまし取る詐欺)は27,832件で、被害額は約1,423.1億円でした。このうち、警察官などを名乗る手口は11,014件でした。

帰省のときに確かめること

電話の履歴、留守番電話、郵便物やメモを、親の了解を得て一緒に見ると、不審な電話に気づけます。

  • 着信の履歴:知らない番号や、「+」から始まる番号からの着信が続いていないか
  • 留守番電話:役所や銀行、警察を名乗る伝言が残っていないか
  • 郵便物やメモ:電話の横に、知らない電話番号や、ATMの操作のメモがないか
  • 電話の設定:相手の番号が表示される設定か、留守番電話が使える電話か
  • 最近の様子:「役所から電話があった」など、親が気になっていることはないか

警察庁の資料では、2025年に特殊詐欺に使われた電話番号の約75.5%が、国際電話の番号でした。「+81」は日本の番号を表すため、それ以外の「+」から始まる番号には注意が必要です。

「詐欺の電話がかかってきてないか見せて」と言うより、「最近、変な電話が多いみたいだから、一緒に設定を見てみない?」と声をかけると、親も身構えずに済みます。

犯人と話さないための電話の対策

警察庁は、何よりも「犯人と話をしない」ことが大切だとしています。電話の機能で、話す前に防ぐ仕組みを作りましょう。

留守番電話と番号表示

在宅中も留守番電話にしておき、相手が分かってから折り返すようにすると、犯人と直接話さずに済みます。残っている伝言を帰省のときに一緒に聞き返すと、どんな電話がかかってきているかも分かります。電話会社には、相手の番号が表示されるサービスや、番号を知らせない電話にメッセージで応答するサービスもあります。

防犯機能付きの電話

警察庁が紹介している防犯機能付きの電話には、次のような機能があります。

  • 着信音が鳴る前に、「この通話は防犯のために録音されます」などのメッセージを流す
  • 電話に出ると、話した内容を自動で録音する
  • 番号を知らせない電話や、登録していない番号からの電話を拒否する(番号表示の契約が必要)

自治体によっては、防犯機能付きの電話の購入に補助がある場合もあります。親が住む市区町村のホームページで確かめてみましょう。

国際電話の利用休止と、携帯電話の設定

ふだん海外と固定電話で話さないなら、国際電話の利用休止を申し込めます。申し込みは「国際電話不取扱受付センター」(0120-210-364)のほか、Webからもできます。手続きが難しいときは、最寄りの警察署に相談できます。

携帯電話は、知らない番号からの着信を拒否する設定にしておきましょう。警察庁は、ATMで引き出せる金額の上限を低くしておくことも、対策として挙げています。

家族で決めておく約束

「お金の話が出たら、一度切って家族にかけ直す」と決めておくと、親が一人で判断せずに済みます。

  1. 電話でお金の話が出たら、一度電話を切る
  2. 家族を名乗る電話なら、ふだん使っている家族の番号にかけ直す
  3. 役所や警察を名乗る電話なら、最寄りの警察署に電話して、本物かを確かめる
  4. キャッシュカードや暗証番号は、誰にも渡さない、教えない

約束は、紙に書いて電話の近くに貼っておくと、いざというときに思い出しやすくなります。家族の電話番号も、一緒に書いておきましょう。電話の相手に「家族に確かめてから、折り返します」と言えるよう、一緒に練習しておくのも一つの方法です。

「だまされるわけがない」と思っている親も多いものです。「誰でも引っかかることがあるから、一緒に気をつけよう」と、親だけの問題にしない伝え方を心がけましょう。

被害にあったかもしれないときにすぐやること

お金を振り込んだかもしれないときは、すぐに振込先の金融機関と警察に連絡します。

  1. 犯人がこれから家に来る、受け取りに来るなど、急ぐとき:すぐに110番
  2. お金を振り込んだとき:振り込みに使った金融機関と、警察(最寄りの警察署か110番)に連絡
  3. キャッシュカードや通帳を渡した、暗証番号を教えたとき:すぐに金融機関に連絡
  4. 記録を残す:着信の履歴、留守番電話、メモ、ATMの明細を消さずに取っておく
  5. まだお金は動いていないが不安なとき:最寄りの警察署か#9110に相談

金融庁の案内では、振り込んだ先の口座にお金が残っていれば、「振り込め詐欺救済法」にもとづいて、お金が戻る可能性があります。ただし、犯人がお金を引き出してしまうと戻らないため、連絡は早いほど大切です。

親は、恥ずかしさや申し訳なさから、被害を言い出せないことがあります。「話してくれてよかった。すぐに一緒に連絡しよう」と声をかけ、責めないようにしましょう。

親の判断する力が心配なとき

何度も同じような電話や契約が続くときは、地域包括支援センターにも相談しましょう。

地域包括支援センターは、高齢の方の暮らしの相談を受ける、市区町村の窓口です。見守りや、お金の管理の支えについても相談できます。

訪問販売のリフォームなど、電話以外の契約が見つかったときは、親のリフォーム契約とクーリングオフの記事を参考にしてください。お金の管理や契約を支える制度は、成年後見と任意後見の違いの記事で紹介しています。

親と連絡がとりにくいときの確かめ方は、親が電話に出ないときの記事で紹介しています。

電話のほかに、郵便物や家の安全など、帰省のときに確かめたいことは、帰省で確かめる親のチェックリストにまとめています。

困ったときの相談先

急ぐときは110番、詐欺かどうか迷うときは#9110や最寄りの警察署、お金を振り込んだときは金融機関にも連絡します。

  • 110番:事件や事故に関する緊急の通報。
  • #9110・最寄りの警察署:緊急ではないが、詐欺かもしれないと不安なときの相談。役所や警察を名乗る電話が本物かを確かめるときも、最寄りの警察署に電話します。
  • 振り込みに使った金融機関:お金を振り込んだとき、キャッシュカードを渡したとき。
  • 消費者ホットライン 188:身に覚えのない請求や、契約のトラブルの相談。近くの消費生活センターなどを案内してくれます。
  • 国際電話不取扱受付センター(0120-210-364):固定電話の国際電話の利用休止の申し込み。
  • 地域包括支援センター:親の暮らしや、判断する力についての相談。

まとめ

詐欺の電話を防ぐには、手口を知り、犯人と話さない仕組みを作り、お金の話は一度切って確かめることが大切です。

  • ATMでお金が戻ることはない
  • 帰省のときに、着信の履歴や留守番電話、電話の設定を一緒に確かめる
  • 留守番電話、防犯機能付きの電話、国際電話の利用休止を使う
  • お金の話が出たら、一度切って家族や警察署にかけ直す
  • 被害にあったかもしれないときは、すぐに金融機関と警察へ

詐欺は、誰でもねらわれるおそれがあります。親を責めるのではなく、家族みんなで防ぐ仕組みを、一緒に作っていきましょう。

参考にした情報

※情報は2026年10月時点のものです。制度やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトや市区町村でご確認ください。