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帰省で確かめる親のチェックリスト|家・お金・体・これから

久しぶりに実家に帰ると、親が少し小さく見えたり、家の中の様子が前と違っていたりして、気になることが出てくるものです。

ただ、帰省の数日はあっという間です。何を見ておけばよいかを決めておくと、気になることを見落とさずに済みます。

この記事では、次の3つが分かります。

  • 帰省のときに確かめたいことのチェックリスト(家の安全、お金と契約、体と暮らし、これからのこと)
  • 親を問い詰めずに、気持ちを大事にしながら確かめる話し方
  • 気になることが見つかったときに読みたい、くわしい記事
年末の実家の居間で、帰省した50代の娘と80代の母がこたつでお茶を飲みながら話しているイラスト

結論:家の安全から見て、話は責めずに少しずつ

  1. 全部を一度に確かめようとせず、気になる項目から見る
  2. まず家の安全(浴室、つまずきやすい所、戸締り)を一緒に見て回る
  3. 郵便物や電話の様子は、親の了解を得てから一緒に見る
  4. 食事、薬、通院など、ふだんの暮らしを、会話の中で聞く
  5. 見守りや介護、お金の管理の話は、責めずに「これからのこと」として切り出す

確かめる前に:親の気持ちを大事にする

「チェックしに来た」と感じさせず、一緒に過ごしながら自然に確かめることが大切です。

親にとって、子どもに家の中を調べられたり、できないことを指摘されたりするのは、うれしいことではありません。「心配だから」という気持ちは同じでも、伝え方ひとつで、親が身構えてしまうことがあります。

  • 一度に全部を見ない:気になる項目を2〜3つにしぼり、残りは次の帰省や電話で
  • 「一緒に」を使う:「見せて」より「一緒に見てみない?」
  • 自分の話から始める:「うちも最近、防犯のことを見直したんだけど」など
  • できていることも伝える:「ちゃんと片付いてるね」と、まず認める
  • その場で決めさせない:「考えておいて」と持ち帰ってもらう

「年を取ったんだから」「危ないからやめて」は、親の気持ちを傷つけやすい言葉です。「長く元気でいてほしいから」と、理由を自分の気持ちとして伝えると、受け止めてもらいやすくなります。

帰省のときのチェックリスト

家の安全、お金と契約、体と暮らし、これからのことの4つに分けて、気になる項目から確かめます。

それぞれの項目のくわしい確かめ方や対策は、リンク先の記事で紹介しています。

1. 家の安全(浴室・転倒・防犯)

  • 浴室と脱衣所:冬に寒すぎないか。暖房や、手すり、滑り止めがあるか → ヒートショック対策の記事
  • つまずきやすい所:居室や寝室、玄関、廊下に、段差や、床に置いた物、めくれたじゅうたん、電気のコードがないか。夜に足元が暗くないか
  • 階段と玄関:手すりや滑り止めがあるか。玄関の上がり口で、ふらついていないか
  • 戸締り:ふだん鍵をかけているか。窓の鍵(補助錠)、勝手口、浴室やトイレの窓も
  • 合鍵の置き場所:郵便受けや植木鉢の下など、外に置いていないか
  • 訪問者への対応:インターホンやドアスコープで相手を確かめてから出ているか

東京消防庁の調べでは、2024年に「ころぶ」事故で救急搬送された高齢者は73,500人で、その約4割が入院の必要があると診断されました。住まいの中で起きた「ころぶ」事故は、居室・寝室が最も多く、次に玄関・勝手口でした。東京消防庁は、段差のある場所や階段、玄関に手すりや滑り止めをつけるよう呼びかけています。

防犯について、警察庁は、住宅の侵入の被害は鍵のかけ忘れ(無締り)によるものが多く、窓と表の出入口から入られることが非常に多いとして、ふだんから施錠する習慣を身につけるよう呼びかけています。警視庁は、窓やドアに補助錠をつけることや、ゴミ出しなどの短い外出でも鍵をかけること、合鍵を郵便受けや鉢など外に置かないことを挙げています。

警視庁によると、ガス点検や消防点検などを装って玄関を開けさせ、家の中に入って現金などを奪う事件も起きています。点検だと言われても、ドアを開ける前に契約しているガス会社などに確かめ、不審なときは開けずに110番するよう、親と話しておきましょう。警察庁によると、佐川急便・日本郵便・ヤマト運輸の宅配便は、インターホン越しに伝えれば、配達員と顔を合わせない受け取りを頼むこともできます。

2. お金と契約(郵便物・契約書・電話)

  • 郵便物:開けていない請求書や督促状、見慣れない会社からの通知がたまっていないか
  • 契約書・領収書:最近、家の工事や、健康食品、布団などを契約していないか。同じような契約が続いていないか → リフォーム契約とクーリングオフの記事
  • 電話:着信の履歴や留守番電話に、知らない番号や、役所・銀行を名乗る伝言がないか。電話の近くに、ATMの操作のメモがないか → 還付金詐欺を防ぐ記事
  • 通帳やカード:どこにしまっているか、本人が分かっているか。暗証番号を紙に書いてカードと一緒にしていないか

郵便物や通帳は、親にとって見られたくないものでもあります。勝手に開けず、「最近、変な郵便が多いみたいだから、一緒に見てみない?」と声をかけ、親の了解を得てから一緒に見ましょう。気になる契約が見つかったときは、消費者ホットライン188に相談できます。

3. 体と暮らし(食事・薬・通院)

薬の飲み方で気になることがあれば、かかりつけの薬局の薬剤師に相談できます。物忘れなど、いつもと違う様子が気になるときは、かかりつけ医や、親が住んでいる地域の地域包括支援センターに相談しましょう。

4. これからのこと(見守り・介護・お金の管理)

施設や住み替えを考えているときは、老人ホームの種類の記事や、サービス付き高齢者向け住宅のお金と契約の記事も参考にしてください。

親を問い詰めない話し方

気になることが見つかっても、責めずに、親の考えを聞くことから始めます。

  • 見つけたことを、事実として伝える:「この請求書、まだ開けてないみたい」。「どうして放っておいたの」とは言わない
  • 親の考えを先に聞く:「お母さんは、どうしたいと思ってる?」
  • 選択肢を示す:「手すりをつける」「置く物を減らす」など、いくつか示して、親に選んでもらう
  • 一人で抱えさせない:「何かあったら、すぐ電話してね。怒らないから」
  • きょうだいとも共有する:見たことを、ほかの家族にも伝えておく

親が話したがらないときは、無理に聞き出さず、時間をおきましょう。次の帰省や電話で、少しずつ話せばかまいません。

詐欺の被害や、契約の失敗を、親は恥ずかしさから隠すことがあります。「話してくれてよかった」と受け止める姿勢を見せておくと、困ったときに相談してもらいやすくなります。

帰省のあとにやること

気づいたことをメモに残し、家族で共有して、次の電話や帰省で続きを話します。

  1. 気づいたことと、親と話したことを、日付と一緒にメモしておく
  2. きょうだいなど、ほかの家族と共有する
  3. すぐ対応したいこと(手すり、戸締り、電話の設定など)は、親の了解を得て進める
  4. 心配なことは、親が住んでいる地域の地域包括支援センターに相談する

前回のメモと比べると、親の変化に気づきやすくなります。離れて暮らしながら介護が必要になったときの進め方は、遠距離介護の記事で紹介しています。

困ったときの相談先

暮らしや介護は地域包括支援センター、契約のトラブルは188、急ぐときは110番や119番に連絡します。

  • 地域包括支援センター:親の暮らしや介護、物忘れの心配について。親が住んでいる市区町村の窓口です。
  • 消費者ホットライン 188:身に覚えのない請求や、契約のトラブル。近くの消費生活センターなどを案内してくれます。
  • #9110・最寄りの警察署:緊急ではないが、不審な電話や訪問者が心配なとき。
  • かかりつけ医・薬局の薬剤師:体調や、薬の飲み方の心配。

まとめ

帰省のときは、家の安全から見て、お金や暮らし、これからのことは、責めずに少しずつ確かめましょう。

  • 家の安全:浴室の寒さ、つまずきやすい所、戸締りと合鍵
  • お金と契約:郵便物、契約書、電話の様子を、了解を得て一緒に
  • 体と暮らし:食事、薬、通院、暮らしの変化
  • これから:連絡の取り方、見守り、介護、お金の管理、実家のこと

帰省は、親の様子を知る大切な機会であると同時に、家族で過ごす時間でもあります。確かめることに追われすぎず、親と話す時間も楽しんでください。

参考にした情報

※情報は2026年10月時点のものです。制度やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトや市区町村でご確認ください。