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親の通院のたびに仕事を休むのは、なかなか大変です。「付き添わないと心配。でも、毎回は休めない」と悩んでいる方も多いと思います。
通院の付き添いは、家族だけで抱えなくても、介護保険のサービスや、介護保険外のサービス、仕事を休むための制度を組み合わせることができます。
この記事では、次の3つが分かります。
- 通院の付き添いで、何を手伝う必要があるかの整理のしかた
- 介護保険で使える通院の介助と、介護保険外のサービスの違い
- 自分が付き添う日に使える介護休暇と、家族での分担の方法

結論:手伝うことを分けて、サービスと休暇を組み合わせる
- 付き添いで手伝うこと(移動、病院の中、医師の説明を聞く)を分けて整理する
- 要介護認定を受けているなら、ケアマネジャーに介護保険の通院の介助を相談する
- 介護保険で足りない部分は、介護保険外のサービスを考える(親の住所が対象地域か確かめる)
- 医師の説明を聞きたい日など、自分が付き添う日は介護休暇を使う
- きょうだいや親族と、付き添う日と連絡の方法を分担する
まず、付き添いで手伝うことを分けて考える
移動の手伝い、病院の中での手伝い、医師の説明を聞くことの3つに分けると、頼める相手が見えてきます。
| 手伝うこと | 主な頼み先 |
|---|---|
| 家から病院までの移動 | 介護保険の通院の介助、介護保険外のサービス、家族 |
| 病院の中での移動や受付 | 病院のスタッフ、介護保険外のサービス、家族(介護保険は場合による) |
| 医師の説明を聞く・相談する | 家族(できれば本人と一緒に) |
毎回すべてに家族が付き添う必要はないかもしれません。たとえば、移動はサービスに頼み、医師の説明を聞く日だけ家族が付き添う、という分け方もできます。
介護保険で使える通院の介助
要介護認定を受けている親は、介護保険の訪問介護で、通院の乗り降りや移動の介助を頼める場合があります。
厚生労働省の資料では、訪問介護は「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3つに分けられています。通院等乗降介助は、訪問介護の事業所のヘルパーが自分で運転する車への乗り降りの介助と、その前後の家の中や外での移動の介助などを、一連のサービスとして行うものです。
体の状態によっては、「身体介護」として、通院や外出の介助を受けられることもあります。どちらが使えるか、どのくらい使えるかは、ケアプラン(介護の計画)で決まるので、担当のケアマネジャーに相談しましょう。
病院の中での介助は、原則として病院のスタッフ
厚生労働省の事務連絡(平成22年4月28日)では、病院の中での介助は、基本的には病院のスタッフが対応するべきものとしたうえで、場合によっては介護保険の対象になるとされています。認められるかどうかは、市区町村などの保険者の判断です。
病院の中で付き添いが必要なときは、受診する病院に、手伝ってもらえるかを事前に聞いておきましょう。
まだ要介護認定を受けていない場合は、まず親が住む地域の地域包括支援センターに相談しましょう。認定の申請や、使えるサービスの案内を受けられます。介護の始め方は、介護は何から始めるかの記事で紹介しています。
介護保険で足りない部分は、保険外のサービスを考える
長い時間の付き添いや、病院の中での付き添いを頼みたいときは、費用を全額自分で払う介護保険外のサービスを使う方法があります。
介護保険外のサービスは、内容や時間を自由に決められるかわりに、費用は全額自己負担です。料金の比べ方や、介護保険と一緒に使うときの注意は、介護保険外サービスの比較の記事で詳しく説明しています。
ここでは、通院の付き添いを頼める2つのサービスを紹介します。対象地域が違い、愛知県はイチロウだけが対象です。
通院の付き添いを頼めるサービスの例:イチロウ
介護保険外の介護サービスを提供しているサービスです。自宅での介護や家事、通院や外出の付き添い、夜間の見守りなどを、時間単位で頼めます。
対象地域は、東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・愛知県・大阪府・兵庫県・京都府です。同じ都府県の中でも対応できない地域がある場合があるので、親が住んでいる住所が対象かどうか、事前に問い合わせて確かめてください。
料金のめやす(日中9時〜18時、1時間あたり・税込):3,740円(必要なときだけ使う「ライトプラン」。担当者が付く「コンシェルジュプラン」は3,960円)。利用は1回2時間から、その後は15分単位で延長できます。交通費が1回990円かかり、請求がある月には事務手数料278円がかかります。
前日の15時以降の予約は1.4倍、12月29日〜1月3日の利用は基本料金の1.2倍になります。
※料金や条件は、2026年10月21日に公式サイトで確認し、2026年10月27日に変わっていないことを確かめた内容です。申し込む前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。
公式サイトはこちら
通院の付き添いを頼めるサービスの例:クラウドケア
介護保険外の訪問介護(自費の訪問介護)を、インターネットで頼めるサービスです。家事や通院・外出の付き添い、見守り、話し相手などを頼めます。
対象地域は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・京都府・兵庫県です(愛知県は対象外)。同じ都府県の中でも対応していない地域があるので、親が住んでいる住所が対象かどうか、事前に公式サイトで確かめてください。
料金のめやす(1時間あたり・税込):必要なときだけ頼む(スポット)は3,300円、定期(1週間に1回)は2,750円、定期(2週間に1回)は3,080円。スポットは1時間から、定期は2時間から頼めます。交通費は880円です。
利用日時の96時間前を過ぎてからの依頼は、依頼の時期に応じて基本料金の20〜60%の割り増しになります。通院の日が決まったら、早めに頼みましょう。
※料金や条件は、2026年10月21日に公式サイトで確認し、2026年10月27日に変わっていないことを確かめた内容です。申し込む前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。
公式サイトはこちら
自分が付き添う日は、介護休暇を使う
医師の説明を聞きたい日など、自分が付き添う日は、年次有給休暇とは別の「介護休暇」を使える場合があります。
厚生労働省の育児・介護休業法の解説では、要介護状態にある家族を介護する場合、介護休暇を1年に5日(対象の家族が2人以上なら10日)まで取れ、時間単位でも取れるとされています。通院の日に、午前だけ休むといった使い方もできます。
- 介護休暇:1年に5日(2人以上なら10日)まで。時間単位でも取れる。通院の付き添いなど、短い用事に向く
- 介護休業:対象の家族1人につき、通算93日まで。3回に分けて取れる。介護の体制を整えるための、まとまった休み
- 介護休業給付:雇用保険に入っている人が介護休業を取ると、条件を満たせば、原則として休業開始時の賃金日額の67%が支給されます(ハローワークの案内)
介護休暇が有給か無給か、どのように申し出るかは、会社の決まりによって違います。まず、勤め先の就業規則や人事の担当者に確かめましょう。
入社して間もない人や、週の所定労働日数が少ない人など、労使協定で対象外とされている場合があります。自分が対象になるかは、会社に確認してください。
家族で付き添いを分担する
付き添う人と日を決め、受診の内容を家族で共有すると、一人に負担が集まりにくくなります。
- 予定の共有:通院の日程を、家族で共有できるカレンダーなどにまとめる
- 役割の分担:近くに住む人は移動、遠くに住む人は医師の説明を聞く日だけ、など得意な形で分ける
- 受診の記録:医師から言われたことや、薬の変更をメモに残し、家族で共有する
- お金の分担:サービスの費用や交通費を誰が出すかを、先に決めておく
親と離れて暮らしている場合の介護の進め方は、遠距離介護は何から始めるかの記事で紹介しています。通院の日以外にも連絡がつかなくて心配なときは、親が電話に出ないときの記事も参考にしてください。
困ったときの相談先
介護保険のことはケアマネジャーや地域包括支援センター、仕事の制度は勤め先や労働局に相談できます。
- ケアマネジャー:すでに介護サービスを使っている場合、通院の介助をケアプランに入れられるかの相談。
- 地域包括支援センター:要介護認定の申請や、通院の付き添いに使えるサービスの相談。
- 受診する病院:病院の中での付き添いや、送迎の手伝いがあるかの確認。
- 勤め先の人事の担当者:介護休暇・介護休業の取り方の確認。
- 都道府県労働局:介護休暇・介護休業の制度について、会社との間で困ったときの相談。
まとめ
親の通院の付き添いは、手伝うことを分けて考えれば、サービスと休暇を組み合わせて、仕事と両立しやすくなります。
- 移動、病院の中、医師の説明を聞くことの3つに分けて考える
- 要介護認定があれば、ケアマネジャーに通院の介助を相談する
- 足りない部分は、対象地域を確かめて介護保険外のサービスを使う
- 自分が付き添う日は、時間単位でも取れる介護休暇を使う
仕事を続けることは、長く親を支えるためにも大切です。一人で抱え込まず、使える制度とサービスに頼りましょう。
参考にした情報
- 厚生労働省 社会保障審議会 介護給付費分科会 第182回 資料2「訪問介護・訪問入浴介護」(訪問介護の3類型と通院等乗降介助。2026年10月27日確認)
- 厚生労働省 事務連絡「訪問介護における院内介助の取扱いについて」(平成22年4月28日。2026年10月27日確認)
- 厚生労働省「育児・介護休業法 令和6年(2024年)改正内容の解説」(介護休業・介護休暇。2026年10月27日確認)
- ハローワーク「介護休業給付の内容及び支給申請手続について」(2026年10月27日確認)
- イチロウ「料金について」(2026年10月27日確認)
- クラウドケア「料金」(2026年10月27日確認)
※情報は2026年10月時点のものです。制度やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトや市区町村でご確認ください。