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介護は何から始める?家族がまずやること5つと相談先

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「最近、親が転びやすくなった」「同じことを何度も聞くようになった」。親の変化に気づいて、「もしかして介護が必要なのかな」と感じたとき、何から始めればいいか戸惑いますよね。

介護は、ある日突然始まることも多いものです。はじめてのことばかりで、誰に相談すればいいのかも分からず、不安になるのは当然のことです。

この記事では、次の3つが分かります。

  • 介護が必要かもしれないと感じたときに、家族がまずやること
  • 最初に頼れる相談先と、介護保険を使うまでの大まかな流れ
  • 家族の役割分担と、仕事と介護を両立するための制度
実家のリビングのテーブルで、50代の娘と50代の兄が80代の母親をはさんで座り、これからの介護について穏やかに話し合っているイラスト

先に結論:まずやること5つ

  1. 親が住んでいる地域の「地域包括支援センター」に相談する
  2. 親の体の状態、困りごと、本人の希望を整理する
  3. 必要に応じて、市区町村に要介護認定を申請する
  4. きょうだいや家族で、役割と費用の分け方を話し合う
  5. 勤め先の介護休業などの制度を確かめておく

介護が必要かもしれない、と感じるサイン

介護が必要になるきっかけは、人それぞれです。次のような変化が続いているときは、早めに相談を始めることを考えましょう。

  • 歩くのが不安定になり、転ぶことが増えた
  • 買い物や料理、掃除など、身の回りのことが難しくなってきた
  • お風呂やトイレに、時間がかかるようになった
  • 同じ話をくり返す、約束を忘れるなど、もの忘れが目立つ
  • 薬の飲み忘れや、お金の管理の失敗が増えた
  • 入院をきっかけに、退院後の生活が心配になった

こうした変化は、離れて暮らしていると気づきにくいものです。電話や帰省のときの様子の見方は、親の一人暮らしが心配なときの記事でも紹介しています。

急に体の具合が悪くなった、意識がはっきりしないなど、すぐに対応が必要なときは、ためらわずに医療機関や救急に連絡してください。

家族がまずやること5つ

介護の準備は、一度にすべてを決める必要はありません。次の順番で、ひとつずつ進めていきましょう。

1. 地域包括支援センターに相談する

最初に頼れるのが、「地域包括支援センター」です。高齢の方の暮らしを支えるための相談窓口で、市町村が設置しています。介護のことだけでなく、健康や暮らしの困りごとなど、幅広く相談できます。

センターには、原則として保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員(経験を積んだケアマネジャー)が置かれています。それぞれの専門家が、親の状態に合った支援を一緒に考えてくれます。

相談先は、親が住んでいる地域のセンターです。家族からの相談や、電話での相談を受け付けているセンターが多くあります。場所は、親が住んでいる市区町村の役所やホームページで確認できます。

「まだ介護というほどではないかも」と思う段階でも、相談してかまいません。早めに相談しておくと、いざというときに慌てずに済みます。

2. 親の状態と、本人の希望を整理する

相談の前に、親の様子を整理しておくと、話がスムーズに進みます。分かる範囲でかまいませんので、メモにまとめておきましょう。

  • 困っていること(歩く、食事、お風呂、もの忘れなど)と、いつごろからか
  • 持病や通っている病院、かかりつけ医、飲んでいる薬
  • 一緒に住んでいる人の有無と、近くに頼れる人がいるか
  • 本人が、これからどこでどのように暮らしたいと思っているか

いちばん大切なのは、本人の気持ちです。「家で暮らし続けたい」「家族に迷惑をかけたくない」など、親の思いを聞いておくことが、これからの選択の土台になります。

3. 必要に応じて、要介護認定を申請する

介護保険のサービス(ホームヘルパーやデイサービスなど)を使うには、「要介護認定」の申請が必要です。要介護認定とは、介護がどのくらい必要かを判定するしくみです。

申請は、親が住んでいる市区町村の窓口でできます。厚生労働省のサイトでは、申請から認定の通知までは原則30日以内とされています。申請のしかたで迷ったら、地域包括支援センターに相談してみましょう。

申請の具体的な流れは、要介護認定の申請の流れの記事でくわしく紹介しています。

4. 家族で役割と費用の分け方を話し合う

介護は長く続くことがあります。誰かひとりに負担が集中しないよう、早めに家族で話し合っておきましょう。

  • 主な窓口になる人(役所やケアマネジャーとの連絡役)
  • 通院の付き添いや、帰省・訪問をする人と頻度
  • 介護にかかる費用を、親のお金でまかなうか、家族で分担するか
  • 遠くに住んでいる家族にできること(電話、書類の手続き、情報集めなど)

近くに住んでいる人だけが動くのではなく、遠くの家族にもできることがあります。それぞれの事情を伝え合い、無理のない分け方を探しましょう。

5. 仕事との両立に使える制度を確かめる

働きながら介護をする場合は、勤め先の制度を確かめておきましょう。法律で定められた、次のような制度があります。

  • 介護休業:対象家族1人につき3回まで、通算93日まで休業できる
  • 介護休暇:対象家族が1人の場合は1年間に5日まで、2人以上の場合は10日まで休める(1日または時間単位)
  • 介護休業給付:介護休業をしたとき、雇用保険から支給される給付(原則として、休業を始めたときの賃金日額×支給日数×67%)

介護休業の対象家族には、配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母が含まれます。休業を始める予定の日の2週間前までに、書面などで勤め先に申し出ることとされています。

ここでいう「要介護状態」とは、けがや病気、体や心の障害によって、2週間以上の期間にわたり常に介護が必要な状態のことです。介護休業給付を受けるための細かな条件は、勤め先やハローワークで確認してください。

厚生労働省の解説資料では、介護休業の期間は「自分が介護を行う期間」だけでなく、「仕事と介護を両立させるための体制を整えるための期間」としても位置づけられています。介護保険のサービスを受けるための準備期間として使い、仕事を続けられる体制を整えていく、という考え方です。

元気なうちに、親と話しておきたいこと

介護が本格的に始まってからでは、親の気持ちをゆっくり聞く時間がとりにくくなります。まだ元気なうちに、少しずつ話しておくと、いざというときに迷わずに済みます。

  • 介護が必要になったら、家で暮らしたいか、施設も考えたいか
  • 家族以外の人(ヘルパーなど)に手伝ってもらうことを、どう感じるか
  • 通帳や保険証、年金の書類などが、どこにしまってあるか
  • 病気になったとき、どんな治療やケアを受けたいか

一度にすべてを聞く必要はありません。テレビの話題や、知り合いの話などをきっかけに、少しずつ聞いていきましょう。聞いたことは、家族で共有しておくと安心です。

ひとりで抱え込まないために

介護をしていると、「家族なのだから自分がやらなければ」と、ひとりで頑張りすぎてしまうことがあります。でも、介護をする人が倒れてしまっては、親を支えることもできません。

  • 介護保険のサービスや、地域の支援を上手に使う
  • 困ったことは、ケアマネジャーや地域包括支援センターに早めに相談する
  • 自分の休む時間や、楽しみの時間も大切にする
  • 同じ立場の人と話せる、家族の会などの集まりを探してみる

介護は、短距離走ではなく長距離走にたとえられることがあります。最初から全力で走るのではなく、続けられるペースを家族で探していくことが大切です。

「頼ることは悪いことではない」と考えて、使える支えは遠慮なく使いましょう。親にとっても、家族が元気でいることがいちばんの安心です。

よくある質問

親が介護の話を嫌がります

「介護」という言葉に抵抗を感じる親もいます。「最近、困っていることはない?」「楽に暮らせる方法を一緒に探したい」など、親の暮らしをよくするための相談として話してみましょう。地域包括支援センターの職員に、話し方を相談するのもよい方法です。

遠くに住んでいて、すぐに行けません

遠くに住んでいても、電話で地域包括支援センターに相談したり、申請の準備をしたりと、できることはあります。親の近所の人や、親しい友人と連絡先を交換しておくことも心強い備えになります。

お金のことが心配です

介護にかかる費用は、使うサービスや親の状態によって大きく変わります。介護保険のサービスを使うときの自己負担や、利用できる助成の制度については、市区町村の介護保険の窓口や、ケアマネジャーに確認しましょう。

困ったときの相談先

  • 地域包括支援センター:介護や暮らしの困りごとの、最初の相談先(親が住んでいる地域のセンター)
  • 市区町村の介護保険の窓口:要介護認定の申請や、介護保険のしくみについて
  • かかりつけ医:体の状態や病気について。要介護認定では主治医の意見書も使われる
  • 勤め先の人事担当・ハローワーク:介護休業や介護休業給付について

介護の方法やサービスの選び方など、個別の判断が必要なことは、地域包括支援センターやケアマネジャーなどの専門家に相談してください。

介護保険外のサービスという選択肢

介護保険のサービスは、使える内容や時間に決まりがあります。保険では対応しきれない部分を、費用を全額自分で払って頼めるサービスもあります。「介護保険外のサービス」や「自費のサービス」と呼ばれます。

たとえば、長い時間の付き添いや、夜間の見守り、家族が急に行けなくなったときの手助けなどです。使う前に、ケアマネジャーや地域包括支援センターに、介護保険のサービスで足りないことは何かを相談しておくと、選びやすくなります。

例:イチロウ

介護保険外の介護サービスを提供しているサービスです。自宅での介護や家事、通院や外出の付き添い、夜間の見守りなどを、時間単位で頼めます。

対象地域は、東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・愛知県・大阪府・兵庫県・京都府です。同じ都府県の中でも対応できない地域がある場合があるので、親が住んでいる住所が対象かどうか、事前に問い合わせて確かめてください。

料金のめやす(1時間あたり・税込)

  • 日中(9時〜18時):3,740円
  • 夜間(18時〜翌9時):4,488円
  • 当日の予約:5,236円
  • 利用は2時間から。別に往復の交通費990円がかかります。前日の15時以降の予約は、料金が割り増しになります。

介護保険外のサービスは、費用の全額が自己負担です。長い時間使うと費用が大きくなるので、使う時間や回数を決めてから相談しましょう。

※料金や条件は、2026年10月13日に公式サイトで確認した内容です。変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。

公式サイトはこちら

まとめ:まずは相談するところから

親に介護が必要かもしれないと感じたら、まずは親が住んでいる地域の地域包括支援センターに相談しましょう。親の状態と本人の希望を整理し、必要に応じて要介護認定を申請します。

家族で役割を分け、仕事との両立に使える制度も確かめておけば、いざというときに慌てずに済みます。ひとりで抱え込まず、専門家や地域の支えを頼りながら、一歩ずつ進めていきましょう。

参考にした情報

※情報は2026年10月時点のものです。制度やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトや市区町村でご確認ください。