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「親の食事が心配だから、宅配食を頼んでみようかな」。そう思って調べてみると、種類がとても多く、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
宅配食は、料理や買い物の負担を軽くできる便利な方法です。ただ、親の体の状態や暮らし方に合わないものを選ぶと、続かなかったり、食べ残しが増えたりすることもあります。
この記事では、次の3つが分かります。
- 宅配食の主な種類と、それぞれの特徴
- 高齢の親の宅配食を選ぶときの、7つのポイント
- 親に無理なく使ってもらうための始め方と、相談先

先に結論:まずやること5つ
- 親の「かむ力・飲み込む力」と、食事の制限があるかを確かめる
- 受け取り方と、冷凍庫・電子レンジがあるかを確かめる
- 1か月の費用を、続けられる金額か計算する
- まずはお試しで数食頼み、味と量を親と一緒に確かめる
- 自治体の配食サービスがあるかも、市区町村で確認する
宅配食には、いくつかの種類がある
ひと口に宅配食といっても、届け方や食べ方はさまざまです。まずは、主な種類を知っておきましょう。
冷凍のお弁当がまとめて届くタイプ
冷凍されたお弁当やおかずが、何食分かまとめて届きます。食べたいときに電子レンジで温めるだけなので、食事の時間を自由に決められます。そのかわり、保存しておく冷凍庫の空きが必要です。
毎日手渡しで届くタイプ
その日のお弁当を、配達の人が毎日届けてくれます。手渡しの場合は、配達のときに顔を合わせるので、安否確認(元気かどうかの確認)をかねられることがあります。
食材やミールキットが届くタイプ
切った野菜や調味料などがそろって届き、簡単な調理で一品が作れます。料理をすることが楽しみな親や、まだ台所に立てる親に向いています。
高齢の親の宅配食を選ぶ、7つのポイント
宅配食を選ぶときは、価格や知名度だけで決めず、親の体と暮らしに合うかどうかを確かめることが大切です。次の7つのポイントを、ひとつずつ見ていきましょう。
1. かむ力・飲み込む力に合っているか
入れ歯が合わない、かたい物が食べにくい、飲み込むときにむせることがある。そんな様子があるときは、やわらかさや形に配慮したお弁当を選びましょう。
農林水産省は、介護に配慮した食品を「スマイルケア食」として整理しています。かむことや飲み込むことに問題はないものの栄養補給が必要な人向けは「青」、かむことに問題がある人向けは「黄」、飲み込むことに問題がある人向けは「赤」のマークで表示されます。商品を選ぶときの目安のひとつになります。
飲み込みにくさがあるときは、自己判断で食事の形を決めず、かかりつけ医や歯科医に相談してください。合わない形の食事は、のどに詰まらせる原因になることがあります。
2. 体の状態や食事の制限に合っているか
塩分を控えるように言われている、糖尿病の治療をしているなど、医師から食事について指示を受けている場合があります。その場合は、指示に合った内容のお弁当があるかを確かめましょう。
どの程度の制限が必要かは、人によって違います。必ず、かかりつけ医や管理栄養士(栄養の専門家)に確認してから選ぶようにしてください。
3. 味と量が親の好みに合っているか
体によくても、おいしくなければ続きません。親の好きなおかずや、苦手な食材を、事前に聞いておきましょう。また、量が多すぎると食べ残しが増え、少なすぎると栄養が足りなくなります。
4. 受け取り方が親に合っているか
手渡しで受け取るのか、宅配ボックスや玄関先に置いてもらうのかは、サービスによって違います。親が日中に家にいるか、インターホンに出られるかを考えて選びましょう。
冷凍のお弁当の場合は、届いた物を冷凍庫にしまう手間もあります。重い箱を持ち運べるか、冷凍庫に入りきるかも、確かめておきたいところです。
5. 温め方や食べ方が簡単か
電子レンジで温める時間がお弁当ごとに違うと、親が迷ってしまうことがあります。容器のふたを開けやすいか、温めたあとに熱くなりすぎないかも、確かめておくと安心です。
帰省のときに、親が実際に温めて食べるところを一緒に見ておくと安心です。親にとって分かりにくい点があれば、温め方を大きな字で紙に書いて、電子レンジの近くに貼っておくのもよい方法です。
6. 1か月の費用が続けられる金額か
お弁当1食の値段だけでなく、送料や、毎月の会費がかかるかどうかも確かめましょう。「1日1食を1か月」など、実際の使い方で合計の金額を計算してみると、続けられるかどうかが分かりやすくなります。
7. お試しや、休み・解約がしやすいか
最初からまとめて申し込むより、数食のお試しから始められるサービスを選ぶと安心です。入院や帰省のときに配達を休めるか、合わなかったときにやめやすいかも、申し込む前に確かめておきましょう。
事業者が利用者の状態を確かめているか
厚生労働省は、配食事業者向けに、栄養管理のガイドラインをまとめています。その中では、事業者が注文のときに利用する人の状態を確かめ(アセスメント)、続けて利用するときにも様子を確認する(フォローアップ)ことが求められています。
申し込みのときに、親の体の状態や食事の制限について聞いてくれるか、相談できる窓口があるかも、選ぶときの目安になります。
宅配食の種類の比べ方
| 種類 | 向いている親 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 冷凍のお弁当 | 食べる時間を自由にしたい | 冷凍庫の空きと、電子レンジが必要 |
| 毎日手渡しのお弁当 | 安否確認もかねたい | 配達できる地域や時間が限られることがある |
| 食材・ミールキット | 料理を楽しみたい、まだ台所に立てる | 調理の手間が残る |
| 自治体の配食サービス | 条件に当てはまり、地域で利用したい | 内容や利用条件は自治体ごとに違う |
宅配食の例:食楽膳(しょくらくぜん)
介護サービスを手がけるSOMPOケアソリューションズが運営する、冷凍のおかずの宅配サービスです。届いたおかずは、電子レンジで温めて食べます。
食べやすさに合わせて、「食楽膳プラス」「レギュラー」「ソフト」「ムース」「ピューレ」の種類から選べます。かむ力や飲み込む力に不安があるときは、どの種類が合うか、かかりつけ医などに相談してから選びましょう。
お試しと定期購入の違い
- お試し:「食べ比べ4食お試しセット」(食楽膳プラスとレギュラーの4食)が2,460円(税込)。続けるかどうかを決める前に、味や量、温め方が親に合うかを確かめたいときに向いています。
- 定期購入:食数(7食〜28食)と、お届けの間隔(毎週・隔週・○日ごと・毎月1回)を選んで続ける方法です。会員のランクに応じて、最大10%の割引があります。解約金はかかりません。休止や変更は次回お届け予定日の5営業日前までにマイページか電話で、終了は電話で連絡します。
まずはお試しを親と一緒に食べてみて、続けたいと思えたら定期購入を考える、という順番がおすすめです。送料は注文の内容によって変わるため、公式サイトのご利用ガイドで確認してください。
※料金や条件は、2026年10月13日に公式サイトで確認した内容です。変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。
公式サイトはこちら
親に無理なく使ってもらうための始め方
宅配食は、親が「使ってみよう」と思えるかどうかが、続くかどうかの分かれ目です。押しつけにならないよう、次のような順番で進めましょう。
- 親の困りごとを聞く(料理が負担、買い物がつらいなど)
- いくつかのサービスを親と一緒に見て、気になるものを選んでもらう
- 数食のお試しを頼み、帰省のときに一緒に食べてみる
- 味や量、受け取り方の感想を聞いて、続けるか決める
- 続ける場合も、ときどき感想を聞いて見直す
「毎日」から始めるより、「週に数回」から始めると、親の負担感が少なくなります。料理をする日と、宅配食の日を組み合わせるのもおすすめです。
親の食事の様子の見方や、宅配食以外の支え方は、高齢の親の食事が心配なときの記事で紹介しています。
申し込む前のチェックリスト
申し込む前に、次の項目を親と一緒に確かめておくと、「思っていたのと違った」ということを減らせます。
- かたさや大きさは、親が食べやすいものか
- 医師から言われている食事の制限に合っているか
- 親の好きな物、苦手な物が入っていないか
- 1食の量は、親にとって多すぎず少なすぎないか
- 受け取り方(手渡し・置き配)と、届く曜日や時間は合っているか
- 冷凍庫に入りきるか、電子レンジで温められるか
- 送料や会費を含めた、1か月の合計の金額
- 休み・変更・解約の連絡方法と、その締め切り
親が自分で連絡するのがむずかしい場合は、子どもが申し込みや変更の窓口になれるかも確かめておきましょう。
自治体の配食サービスも確かめる
多くの自治体で、配食や緊急通報などの見守りサービスが行われています。内容や利用条件は自治体ごとに違うため、親御さんがお住まいの市区町村の窓口やホームページで確認してください。
見守りの方法全体については、親の一人暮らしが心配なときにできることの記事も参考にしてください。
よくある質問
宅配食だけで、栄養は足りますか?
宅配食は、1日の食事の一部です。厚生労働省のガイドラインでは、配食の利用は多くの場合1日1回から週に数回程度で、配食以外の食事も当然重要になるとしたうえで、「配食を利用していれば大丈夫」と利用者に思われないよう、事業者が注意することとされています。ほかの食事や間食も含めて、全体で考えるようにしましょう。
親が「もったいない」と言って断ります
費用を気にする親は少なくありません。「買い物や料理の時間が減る分、ほかのことに時間を使える」「届けてもらうと、私が安心できる」と、親にとっての良さと、子どもの気持ちの両方を伝えてみましょう。
途中で飽きてしまったら?
メニューの種類が多いサービスを選んだり、別のサービスと交互に使ったりすると、飽きにくくなります。好きなおかずを、家族が時々届けるのもよい方法です。
困ったときの相談先
親の体の状態に合う食事が分からないときは、かかりつけ医に相談しましょう。病院によっては、管理栄養士に相談できる場合もあります。
地域の配食サービスや、暮らしの困りごとについては、親が住んでいる地域の「地域包括支援センター」に相談できます。高齢の方の暮らしを支えるための相談窓口で、市町村が設置しています。家族からの相談や、電話での相談を受け付けているセンターが多くあります。
まとめ:親と一緒に、続けやすい宅配食を
宅配食を選ぶときは、かむ力や体の状態、受け取り方、費用など、親の暮らしに合うかどうかを確かめることが大切です。まずは数食のお試しから始めて、親の感想を聞きながら決めていきましょう。
宅配食は、親の食事を支えると同時に、離れて暮らす家族の安心にもつながります。自治体の配食サービスや、地域包括支援センターなどの相談先も上手に使いながら、親にも家族にも無理のない形を見つけてください。
参考にした情報
- 農林水産省「スマイルケア食(新しい介護食品)」
- 厚生労働省「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理」
- 厚生労働省「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理に関するガイドライン」(検討会報告書・ガイドライン・関連通知、PDF)
- 厚生労働省「地域包括ケアシステム」
※情報は2026年10月時点のものです。制度やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトや市区町村でご確認ください。