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親のヒートショック対策|帰省で確かめる浴室と脱衣所

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寒い時期になると、「親が一人でお風呂に入って、倒れたりしないだろうか」と気になりますよね。離れて暮らしていると、ふだんの入浴の様子は見えにくいものです。

冬の入浴の事故は、脱衣所や浴室の寒さを減らすことや、入り方を少し変えることで防ぎやすくなります。年末年始の帰省は、家の中を一緒に確かめるよい機会です。

この記事では、次の3つが分かります。

  • 帰省のときに、浴室と脱衣所で確かめること
  • 湯の温度やつかる時間など、親と決めておきたい入浴の目安
  • 手すりなどの改修や、一人暮らしの親の入浴の見守り方
帰省した息子が、実家の脱衣所で父と並んで温度計を見ながら、脱衣所を暖める方法を話し合っているイラスト

結論:温度差を減らし、入り方の目安を親と決める

  1. 脱衣所・浴室と居間の温度差を、温度計で確かめる
  2. 湯の温度は41度以下、つかるのは10分までを目安に、親と決める
  3. 食後すぐ、お酒を飲んだあと、薬を飲んだあとの入浴は避けてもらう
  4. 手すりや滑り止めが必要なら、ケアマネジャーか地域包括支援センターに相談する
  5. 一人暮らしなら、入浴の前後の連絡や見守りの方法を決めておく

冬の入浴で事故が増える理由

暖かい部屋と寒い脱衣所・浴室の温度差や、熱い湯に長くつかることが、事故につながると考えられています。

消費者庁の資料では、厚生労働省の人口動態統計をもとに、2023年(令和5年)に浴槽での事故で亡くなった65歳以上の人は6,541人とされています。同じ年に交通事故で亡くなった65歳以上の人(2,116人)の3倍ほどです。

溺れる事故は、12月や1月など冬に多くなります。消費者庁は原因として、温度差による急な血圧の変化と、熱い湯に長くつかって体温が上がり、意識がぼんやりすることを挙げています。温度差による体への負担は、一般に「ヒートショック」と呼ばれます。

数字は全国の統計です。親が元気でも、冬の入浴の注意点は、家族で一度確かめておくと安心です。

帰省のときに浴室・脱衣所で確かめること

温度、滑りやすさ、つかまる所、湯の温度の設定、親の入浴の習慣を、実際に見て確かめます。

  • 温度:居間と脱衣所、浴室の温度の差。温度計を置いて、数字で確かめる
  • 暖房:脱衣所に暖房があるか、使っているか
  • 床:浴室や脱衣所の床が滑りやすくないか、マットがずれないか
  • つかまる所:浴槽をまたぐときや、立ち上がるときにつかまれる手すりがあるか
  • 湯の温度:給湯器やお風呂の設定が、熱すぎないか
  • 入浴の習慣:入る時間帯、つかる時間、食事やお酒、薬との順番

親に聞くときは、「最近、お風呂は寒くない?」など、話しやすい問いかけから始めましょう。一緒にお風呂場を見ながら話すと、親も気づいたことを言いやすくなります。

浴室のほかに、つまずきやすい所や戸締り、お金や暮らしの様子もまとめて確かめたいときは、帰省で確かめる親のチェックリストにまとめています。

親と決めておきたい入浴の目安

消費者庁が勧める入浴の注意点を、親が続けやすい形にして決めておきます。

お風呂に入る前

  • 脱衣所や浴室を、前もって暖めておく
  • 入る前に、水分をとる
  • 食後すぐや、お酒を飲んだあと、薬を飲んだあとの入浴は避ける
  • 家族と暮らしているなら、入る前に一声かける

お風呂に入っているとき

  • 湯の温度は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にする
  • 温度計やタイマーを使って、温度と時間を見えるようにする
  • 浴槽から急に立ち上がらない
  • 意識がぼんやりしてきたら、気を失う前に湯を抜く

長年の習慣を変えるのは、親にとって簡単ではありません。「熱いお風呂が好き」という親には、まず脱衣所を暖めることや、タイマーを使うことなど、取り入れやすいことから始めましょう。

親に伝えるときの言い方

「危ないからやめて」と言うより、「寒い時期は、こうするとお風呂が楽になるみたい」と、親の体を気づかう言い方のほうが、受け入れてもらいやすくなります。消費者庁の資料を一緒に見ながら話すのも、一つの方法です。

決めたことは、紙に書いて脱衣所に貼っておくと、帰省のあとも思い出しやすくなります。電話のときに「お風呂、寒くない?」と聞くことも、続けるきっかけになります。

小さな暖房機を脱衣所に置くときは、置く場所やコードの扱いを親と一緒に確かめましょう。タオルや衣類が近くにないかも見ておくと安心です。

手すりなどの改修には、介護保険が使える場合がある

要介護・要支援の認定を受けていれば、手すりの取り付けなどの改修に、介護保険が使える場合があります。

厚生労働省の資料では、介護保険の住宅改修の対象として、次のような工事が挙げられています。

  • 手すりの取り付け
  • 段差をなくす工事
  • 滑りにくい床材などへの変更
  • 引き戸などへの扉の取り替え
  • 洋式の便器などへの取り替え

使える金額の上限は、一人あたり生涯で20万円です。保険から出るのは原則9割(上限18万円)で、所得に応じて8割・7割になります。限度額の範囲なら、何回かに分けて使うこともできます。

工事の前に、市区町村への申請が必要です。まず、担当のケアマネジャー(介護の計画を立てる専門職)か、地域包括支援センターに相談しましょう。工事のあとに領収書などを出すと、費用の一部が払い戻されます。

「介護保険で安くなる」と突然訪ねてくる業者には、その場で契約しないようにしましょう。訪問販売で契約してしまったときの対応は、親のリフォーム契約とクーリングオフの記事で紹介しています。

まだ介護の認定を受けていない場合は、申請から始めます。手続きの流れは、地域包括支援センターで教えてもらえます。

一人暮らしの親の入浴が心配なとき

入浴の前後に連絡する約束と、異変に気づける見守りの方法を組み合わせると安心です。

家族と暮らしていれば、入浴中に声をかけ合えます。一人暮らしの場合は、その代わりになる仕組みを考えておきましょう。

  • 連絡の約束:「お風呂から上がったら、メッセージを一言送る」など、無理のない合図を決める
  • 入る時間:家族と連絡がとりやすい時間帯に入るよう、相談しておく
  • 近くの人:近所の人や親族に、連絡がつかないときに様子を見てもらえるか頼んでおく
  • 見守りの機器:暮らしの変化を家族に知らせる機器やサービスを使う

連絡がつかないときに確かめる順番は、親が電話に出ないときの記事で、見守りの始め方は、親の一人暮らしが心配なときの記事で紹介しています。

見守りサービスの例:見守りプラス認知のアイシル

部屋に置く本体のセンサーと、親が毎日押すボタンで、暮らしの様子を見守る機器です。人の動きや室温などの変化があると家族に知らせ、「お早う」「お薬」「ごはん」のボタンを押したかどうかも記録されます。部屋の映像を見る仕組みではありません。

ボタンの押し方や生活のリズムの記録は、グラフで前と比べられます。物忘れなど、ふだんとの違いに気づくきっかけになります。ただし、認知症や軽度認知障害(MCI)を診断したり、判定したりするものではありません。

気になる様子があれば、かかりつけ医やもの忘れ外来などの医療機関、親が住んでいる地域の地域包括支援センターに相談しましょう。

料金(税込)

  • 本体を購入する場合:月額 2,178円、初期費用 21,780円(インターネットの環境は自分で用意します)
  • モバイルルーター付きを購入する場合:月額 3,278円、初期費用 39,380円(月々の通信料を含みます)
  • 1年定額やレンタルの契約もあります。1年定額は途中で解約しても返金されず、レンタルは使い始めてから2年以内に解約すると違約金がかかります。

ボタンを押す習慣や機器を置く場所は、親と話し合い、納得してもらってから始めましょう。

※料金や条件は、2026年10月18日に公式サイトで確認した内容です。変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。

公式サイトはこちら

アイシルは、部屋に置いた機器で暮らしの様子の変化を知らせるもので、浴室の中を見守る機器ではありません。入浴の前後の連絡の約束と、組み合わせて使いましょう。

浴槽でぐったりしているのを見つけたら

浴槽の栓を抜いて、すぐに119番に連絡します。

消費者庁は、浴槽でぐったりしている人や溺れている人を見つけたら、浴槽の栓を抜き、できる範囲で救い出したり、応急手当をしたりするよう案内しています。

親が一人で暮らしている場合、見つけるのが遅れることもあります。帰省のときに、もしものときの連絡先や、合鍵を誰が持っているかも、家族で確かめておきましょう。

困ったときの相談先

住まいの改修や暮らしの相談は地域包括支援センターやケアマネジャーに、体のことはかかりつけ医に相談できます。

  • 地域包括支援センター:介護の認定の申請、住宅の改修、一人暮らしの見守りの相談。親が住む市区町村のホームページで連絡先を確かめられます。
  • ケアマネジャー:すでに介護サービスを使っている場合の、住宅の改修や福祉用具の相談。
  • かかりつけ医:血圧や持病があるときの、入浴の注意点の相談。
  • 119番:浴室で倒れているなど、急を要するとき。

まとめ

帰省のときに浴室と脱衣所を一緒に確かめ、温度差を減らして入り方の目安を決めておくことが、親の入浴の事故を防ぐ第一歩です。

  • 居間と脱衣所・浴室の温度差を、温度計で確かめる
  • 湯の温度は41度以下、つかるのは10分までを目安にする
  • 手すりなどの改修は、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談する
  • 一人暮らしなら、入浴の前後の連絡と見守りの方法を決めておく

お風呂は、親にとって一日の楽しみの一つかもしれません。楽しみを大切にしながら、安心して入れる工夫を一緒に考えていきましょう。

参考にした情報

※情報は2026年10月時点のものです。制度やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトや市区町村でご確認ください。