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親のリフォーム契約はクーリングオフできる?帰省で確かめる順番

帰省したとき、実家のテーブルに、見覚えのないリフォームの契約書や請求書が置いてあった。「この工事、本当に必要だったのかな」と、心配になりますよね。

訪問販売で結んだ契約は、決められた期間のうちなら、理由を問わずに取りやめられる場合があります。慌てずに、確かめる順番を知っておけば大丈夫です。

この記事では、次の3つが分かります。

  • 契約書を見つけたときに、最初に確かめること
  • クーリング・オフの期間と、はがき・メールでの通知のしかた
  • 親を責めずに話を聞く方法と、困ったときの相談先
帰省した娘が、実家の居間で母と並んで、リフォーム工事の契約書を一緒に確かめているイラスト

結論:書類をそろえて日付を確かめ、迷ったらすぐ188へ

  1. 親を責めずに、契約書・見積書・請求書をそろえる
  2. 書類を受け取った日を確かめ、8日以内ならクーリング・オフの通知を出す
  3. 工事が始まっていても、お金を払っていても、あきらめずに確かめる
  4. 期間を過ぎていても、分からないときも、すぐに188に相談する
  5. 親の判断する力が心配なら、地域包括支援センターにも相談する

書類を見つけたら、まず確かめること

契約の日付、業者、金額、支払い方法、工事の状況の5つを、書類で確かめます。

契約書、見積書、請求書、パンフレットなど、業者から受け取った紙をすべて集めましょう。親が覚えていることも、メモに残しておきます。

  • 日付:契約した日と、書類を受け取った日。クーリング・オフの期間は、書類を受け取った日から数えます
  • 業者:会社名、住所、電話番号、担当者の名前
  • 内容と金額:どんな工事か、総額はいくらか
  • 支払い方法:現金か、振り込みか、クレジットやローンを組んだか
  • 工事の状況:まだ始まっていないか、途中か、終わったか

あわせて、どのように契約したかも聞いてみましょう。「突然、業者が訪ねてきた」「無料で点検すると言われた」などの話があれば、訪問販売に当たる可能性があります。

書類は写真に撮っておくと、相談の窓口に説明するときや、離れて暮らす家族と共有するときに役立ちます。原本は親の家に保管しておきましょう。

クーリング・オフの期間と、使える条件

訪問販売の契約は、書類を受け取った日から数えて8日以内なら、クーリング・オフで取りやめられます。

クーリング・オフとは、契約したあとでも、決められた期間なら理由を問わずに契約を取りやめられる制度です。国民生活センターの案内では、期間は、申込書か契約書のどちらか早いほうを受け取った日から数えます。

消費者庁の特定商取引法ガイドでは、クーリング・オフをすると、工事が終わっていても代金を払う必要はないとされています。違約金もかかりません。すでに払ったお金は返してもらえ、家の様子が変わっていれば、無料で元に戻してもらえます。

8日を過ぎていても、取りやめられる場合

  • 書類に不備がある:書類に必要なことが書かれていないときは、8日を過ぎてもクーリング・オフできる場合があります
  • 業者に妨げられた:「クーリング・オフはできない」とうそを言われたり、脅されたりしてできなかったときは、期間を過ぎてもできます
  • 量が多すぎる契約:ふつう必要な量を大きく超える契約は、契約から1年間は取りやめられます(特別な事情があるときを除きます)
  • うその説明:事実と違う説明を信じて契約したときは、契約を取り消せる場合があります

条件によっては、クーリング・オフができない場合もあります。自分たちで「もう無理だ」と決めつけずに、消費生活センターに相談して確かめましょう。

クーリング・オフの通知のしかた

はがきなどの書面か、メールなどの電子の方法で、期間のうちに業者へ通知を出します。

クーリング・オフは、電話で伝えるだけでは記録が残りません。必ず書面か、電子の記録が残る方法で通知します。法律では、通知を出した時に効力が生じるとされているので、期間のうちに送れば、業者に届くのが期間のあとでも問題ありません。

はがきで出すとき

  1. 契約した日、契約した人の名前、工事の内容、契約の金額を書く
  2. 「この契約を解除します」という文と、通知を出した日を書く
  3. 送る前に、はがきの両面をコピーする
  4. 郵便局で「特定記録郵便」か「簡易書留」にして、業者の代表者あてに送る
  5. コピーと、郵便局で受け取った控えを一緒に保管する

クレジットやローンを組んでいる場合は、販売した業者と、クレジット会社の両方に、同時に通知を出します。はがきの書き方の例は、国民生活センターのホームページに載っています。

メールなどで出すとき

2022年6月から、メールや業者のホームページのクーリング・オフ専用の入力画面などでも、通知を出せるようになりました。まず契約書を見て、通知先や方法が書かれていれば、それに従います。

送ったあとは、送信したメールや、入力画面のスクリーンショット(画面を写した画像)を保存しておきましょう。

通知を出したあとにすること

払ったお金が返ってきたか、工事の材料などを業者が引き取ったかを確かめます。送った記録や関係する書類は、少なくとも5年間は保管しておきます。

「無料で点検します」から始まる点検商法を知っておく

突然訪ねてきて点検し、不安をあおって工事を契約させる手口があるので、親と一緒に知っておきましょう。

国民生活センターによると、点検商法の相談は2025年度に19,696件ありました。屋根工事の点検商法では、契約した人の8割を超える人が60歳以上だったと発表されています(2023年10月の発表)。

国民生活センターが紹介している、よくある話の流れは次のとおりです。

  • 「近所で工事をするので、あいさつに来ました」と訪ねてくる
  • 「屋根の瓦がずれているのが見えた。無料で点検します」と言う
  • 屋根の写真を見せて、「このままだと瓦が飛んで、近所に迷惑がかかる」と不安にさせる
  • 「今日なら安くする」「保険金で直せる」などと言って、その場で契約させる

屋根のほかにも、分電盤や給湯器、太陽光発電の点検をきっかけにした相談が寄せられています。給湯器では、メーカーの保証期間の中だったのに、高い点検の契約をしていた例もあります。

親には、「突然来た業者には点検させない」「その場で契約しない」「家族に相談してから決める」の3つを伝えておきましょう。工事が必要なときは、いくつかの業者から見積もりを取って比べると安心です。

親を責めずに話を聞くコツ

「だまされたの?」ではなく、「一緒に確かめよう」と声をかけると、親も話しやすくなります。

親は、家を大切に思う気持ちから契約したのかもしれません。責められると、恥ずかしさから、ほかの契約を隠してしまうこともあります。

  • 最初の一言:「家のこと、ちゃんと考えてくれていたんだね」と、気持ちを受け止める
  • 聞き方:「どんな人が来たの?」「何て言われたの?」と、順番にゆっくり聞く
  • 伝え方:「同じような相談が多いみたいだから、念のため確かめてみよう」と、親だけの問題にしない
  • 決め方:クーリング・オフするかどうかは、親の考えも聞いてから一緒に決める

話を聞いてみると、ほかにも訪問販売や電話での契約が見つかることがあります。電話での詐欺が心配なときは、親を還付金詐欺から守る方法の記事も参考にしてください。

親の判断する力が心配なとき

同じような契約が続くなど、判断する力が心配なときは、地域包括支援センターにも相談しましょう。

国民生活センターの案内では、消費生活センターへの相談は、家族や、地域包括支援センターの職員などからでもできます。地域包括支援センターは、高齢の方の暮らしの相談を受ける、市区町村の窓口です。

お金の管理や契約に、継続して支えが必要になりそうなときは、成年後見制度という仕組みもあります。どんなときに考えるかは、成年後見と任意後見の違いの記事で紹介しています。

離れて暮らす親の毎日の様子が気になるときは、親の一人暮らしが心配なときの記事も参考にしてください。

帰省のときに、契約書や郵便物のほかに、家の安全や暮らしの様子もまとめて確かめたいときは、帰省で確かめる親のチェックリストを使ってください。

困ったときの相談先

契約のことは188、工事の内容や費用のことは住まいるダイヤル、暮らし全体のことは地域包括支援センターに相談できます。

  • 消費者ホットライン 188(いやや):近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してくれます。案内に従って郵便番号などを入力すると、その地域の窓口につながります。相談は無料ですが、通話料がかかります。
  • 住まいるダイヤル(公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター):リフォーム工事のトラブルや、工事の費用についての相談。0570-016-100、または03-3556-5147。
  • 地域包括支援センター:親の暮らしや、判断する力についての相談。親が住む市区町村のホームページで連絡先を確かめられます。

まとめ

リフォームの契約書を見つけたら、日付を確かめて、期間のうちに書面か電子の方法で通知を出すことが大切です。

  • 契約書・見積書・請求書をそろえて、日付・業者・金額・支払い方法・工事の状況を確かめる
  • 訪問販売なら、書類を受け取った日から8日以内はクーリング・オフできる
  • 通知は、はがき(特定記録郵便・簡易書留)かメールなどで出し、記録を残す
  • 期間を過ぎていても、迷ったらすぐに188へ
  • 親を責めず、「一緒に確かめよう」と声をかける

帰省は、親の困りごとに気づける大切な機会です。親の気持ちを大事にしながら、一緒に確かめていきましょう。

参考にした情報

※情報は2026年10月時点のものです。制度やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトや市区町村でご確認ください。