この記事には広告が含まれます。
「介護保険のヘルパーさんだけでは、通院の付き添いまで頼めない」「夜だけでも誰かに見ていてほしい」。離れて暮らす親の介護で、そんなもどかしさを感じている方は多いと思います。
介護保険のサービスには、使える内容や時間に決まりがあります。その外側を、費用を全額自分で払って頼めるのが「介護保険外のサービス」です。ただ、料金の仕組みや対象地域はサービスごとに違い、比べにくいのが実情です。
この記事では、次の3つが分かります。
- 介護保険外のサービスで頼めることと、介護保険と一緒に使うときの注意
- イチロウとクラウドケアの料金を、家事の手伝い・通院の付き添い・夜間の見守りの3つの場面で試算した月額
- 2つのサービスの対象地域の違い

結論:介護保険外のサービスを選ぶ順番
- まず、ケアマネジャーや地域包括支援センターに、介護保険のサービスで足りないことは何かを相談する
- 頼みたいことを「家事」「付き添い」「見守り」に分け、回数と時間を決める
- 親の住所が、使いたいサービスの対象地域に入っているかを確かめる(愛知県はイチロウだけ)
- 公式の料金で月額を試算し、割り増しの条件(直前の予約、夜間、年末年始)も確かめる
- 使い始めたら、ケアマネジャーに内容と時間を伝えておく
介護保険のサービスと、保険外のサービスの違い
介護保険のサービスは自己負担が1〜3割ですが、決まった内容しか頼めません。保険外のサービスは全額自己負担の代わりに、内容や時間を自由に決められます。
厚生労働省の資料では、介護保険のサービスを使ったときの自己負担は、かかった費用の1割(一定以上の所得がある方は2割または3割)とされています。家で受けるサービスには、要介護度ごとに1か月に使える上限の額(区分支給限度基準額)が決められています(介護保険法第43条)。厚生労働省の審議会の資料では、上限の額を超えた分は介護保険の給付の対象外となり、全額が自己負担になると示されています(2026年10月21日に確認)。上限の額は、親が住んでいる市区町村やケアマネジャーに確かめてください。
一方、介護保険外のサービスは、費用の全額を自分で払います。そのかわり、長い時間の付き添いや、夜間の見守り、家族の分の家事など、介護保険では頼みにくいことにも対応しているサービスがあります。
| 項目 | 介護保険のサービス | 介護保険外のサービス |
|---|---|---|
| 費用 | 1〜3割の自己負担(上限の額を超えた分は全額) | 全額が自己負担 |
| 頼めること | 介護保険で決まった内容 | サービスごとに決まる(付き添い・見守りなど幅が広い) |
| 使うまでの手続き | 要介護認定とケアプラン(介護の計画)が必要 | サービスと直接契約する |
介護保険と一緒に使うときの注意
保険外のサービスは、介護保険のサービスとはっきり分けて頼み、ケアマネジャーにも内容を伝えます。
厚生労働省の通知(平成30年9月28日)では、訪問介護の前後や合間に、草むしりやペットの世話など保険外のサービスを組み合わせることはできるとされています。ただし、本人の分と同居家族の分の料理を同時に作るように、訪問介護と保険外のサービスを同時に一体で行うことは認められていません。
同じ通知では、事業者は、保険外のサービスの内容や料金を文書で説明して同意を得ること、担当のケアマネジャーにサービスの内容や時間を報告すること、訪問介護とは別に料金を請求することなどが求められています。家族も、どのサービスが介護保険で、どれが保険外なのかを分かるようにしておきましょう(2026年10月21日に確認)。
介護保険でどこまで頼めるかは、親の要介護度やケアプランによって違います。保険外のサービスを使う前に、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してください。
イチロウとクラウドケアの対象地域
東京・千葉・埼玉・神奈川・大阪・京都・兵庫はどちらも対象で、愛知県はイチロウだけが対象です。
| 都府県 | イチロウ | クラウドケア |
|---|---|---|
| 東京都 | ○ | ○ |
| 神奈川県 | ○ | ○ |
| 埼玉県 | ○ | ○ |
| 千葉県 | ○ | ○ |
| 愛知県 | ○ | × |
| 大阪府 | ○ | ○ |
| 京都府 | ○ | ○ |
| 兵庫県 | ○ | ○ |
※2026年10月21日に各社の公式サイトで確認した提供エリアです。どちらも、同じ都府県の中に対応していない地域があることがあります。親の住所が対象かどうかは、申し込む前に確かめてください。
場面別に、月額を試算しました
家事や付き添いはクラウドケアのほうが低く、夜間の見守りはどちらも月10万円を超えました。
計算の前提
公式の料金(税込)で、事前に予約した場合の月額を計算しています。
- 家事の手伝い:週1回、日中に2時間。1か月を4回として計算
- 通院の付き添い:月4回、日中に1回3時間
- 夜間の見守り:月4回、夜11時から朝6時までの7時間
- イチロウ:必要なときだけ使う「ライトプラン」。交通費は1回990円、請求がある月の事務手数料278円を含める。夜間の見守りは「深夜パック」(23時〜6時、26,400円)
- クラウドケア:交通費は1回880円を含める。夜10時から朝8時までは10%の割り増し
- クラウドケアの料金の選び方:家事の手伝いは、毎週同じ曜日・時間に頼むので「定期(1週間に1回)」の料金(1時間2,750円)で計算しました。通院の付き添いと夜間の見守りは、日にちが月によって変わることが多いので、「必要なときだけ頼む(スポット)」の料金(1時間3,300円)で計算しました。通院や見守りも毎週同じ曜日に頼めるなら、定期の料金で頼める場合があります
- 入れていない費用:通院の交通費(タクシー代など)、指名料、直前の予約や年末年始の割り増し
| 場面 | イチロウ | クラウドケア |
|---|---|---|
| 家事の手伝い(週1回2時間) | 34,158円 | 25,520円 |
| 通院の付き添い(月4回3時間) | 49,118円 | 43,120円 |
| 夜間の見守り(月4回7時間) | 109,838円 | 105,160円 |
計算の内訳は次のとおりです。
- 家事:イチロウ 3,740円×8時間+交通費990円×4回+事務手数料278円/クラウドケア 定期(週1回)2,750円×8時間+交通費880円×4回
- 通院:イチロウ 3,740円×12時間+990円×4回+278円/クラウドケア スポット3,300円×12時間+880円×4回
- 夜間:イチロウ 深夜パック26,400円×4回+990円×4回+278円/クラウドケア スポット3,300円×1.1×7時間×4回+880円×4回
※2026年10月21日に各社の公式サイトで確認した料金(税込)で計算した概算です。料金は変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで確認してください。
※クラウドケアの定期の依頼は、1か月単位で曜日と時間を決めて申し込む仕組みで、公式サイトには「1週間に1回(毎週5回分)」と書かれています。5週ある月の扱いは、申し込むときに確かめてください。夜間の見守りを頼めるかどうかも、事前に問い合わせてください。
割り増しになる場合
急に頼むと、どちらも料金が上がります。
- イチロウ:前日の15時以降の予約は1.4倍、12月29日〜1月3日の利用は基本料金の1.2倍
- クラウドケア:利用日時の96時間前を過ぎてからの依頼は、依頼の時期に応じて基本料金の20%・40%・60%の割り増し
たとえば、翌日の日中に2時間だけ急に頼む場合、イチロウは3,740円×1.4×2時間で10,472円(交通費などは別)です。クラウドケアは、24時間前を過ぎていれば3,300円×1.6×2時間で10,560円(交通費は別)です。急な用事に備えるなら、ふだんから定期の利用でつながっておくと、頼みやすくなります。
どちらを選ぶかの目安
親の住所と、頼みたい内容・頻度で選びます。
- 親が愛知県に住んでいる:イチロウが対象です(クラウドケアは対象外)
- 週1回など決まった曜日に頼みたい:今回の試算では、クラウドケアの定期の料金が低くなりました
- 電話で相談しながら決めたい:イチロウには、担当者が付く「コンシェルジュプラン」(1時間3,960円から)があります
- 夜間をまとめて頼みたい:イチロウの深夜パック(23時〜6時)のように、時間をまとめた料金を比べます
介護の始め方の全体の流れは、介護は何から始めるかの記事で、離れて暮らす親の介護の進め方は、遠距離介護は何から始めるかの記事で説明しています。
2つのサービスの紹介
どちらも、介護保険外の訪問介護を時間単位で頼めるサービスです。
イチロウ
介護保険外の介護サービスを提供しているサービスです。自宅での介護や家事、通院や外出の付き添い、夜間の見守りなどを、時間単位で頼めます。
対象地域は、東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・愛知県・大阪府・兵庫県・京都府です。同じ都府県の中でも対応できない地域がある場合があるので、親が住んでいる住所が対象かどうか、事前に問い合わせて確かめてください。
料金のめやす(1時間あたり・税込)
- 日中(9時〜18時):3,740円(必要なときだけ使う「ライトプラン」。定期的に使う方向けで担当者が付く「コンシェルジュプラン」は3,960円)
- 夜間(18時〜翌9時):4,488円(コンシェルジュプランは4,752円)。深夜パック(23時〜6時)は26,400円
- 利用は1回2時間から、その後は15分単位で延長できます。交通費が1回990円かかり、請求がある月には事務手数料278円がかかります。
- 前日の15時までの予約の料金です。前日の15時以降の予約は1.4倍、12月29日〜1月3日の利用は基本料金の1.2倍になります。
※料金や条件は、2026年10月21日に公式サイトで確認した内容です。変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。
公式サイトはこちら
クラウドケア
介護保険外の訪問介護(自費の訪問介護)を、インターネットで頼めるサービスです。家事や通院・外出の付き添い、見守り、話し相手などを頼めます。
対象地域は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・京都府・兵庫県です(愛知県は対象外)。同じ都府県の中でも対応していない地域があるので、親が住んでいる住所が対象かどうか、事前に公式サイトで確かめてください。
料金のめやす(1時間あたり・税込)
- 定期(1週間に1回):2,750円
- 定期(2週間に1回):3,080円
- 必要なときだけ頼む(スポット):3,300円
- スポットは1時間から、定期は2時間から。利用日時の96時間前を過ぎてからの依頼は、依頼の時期に応じて基本料金の20〜60%の割り増しになります。夜10時から朝8時までは10%の割り増しです。交通費は880円です。
※料金や条件は、2026年10月21日に公式サイトで確認した内容です。変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。
公式サイトはこちら
困ったときの相談先
介護保険で頼めることは、ケアマネジャーや地域包括支援センターに確かめます。
- ケアマネジャー:今のケアプランで足りないことや、保険外のサービスとの組み合わせ方を相談できます。
- 地域包括支援センター(親が住む地域):要介護認定がまだの方も含め、介護や暮らしの相談ができます。
- 市区町村の高齢者福祉の窓口:自治体によっては、独自の見守りや配食などのサービスがあります。
まとめ
まずケアマネジャーに相談し、親の住所と頼みたい内容で、サービスと料金を比べましょう。
介護保険外のサービスは、介護保険では頼みにくい付き添いや見守りを補える一方、費用は全額が自己負担です。今回の試算では、週1回2時間の家事で月2.5万〜3.4万円、夜間の見守りを月4回頼むと月10万円を超えました。
対象地域や割り増しの条件もサービスごとに違います。使い始めたら、ケアマネジャーにも内容を伝えておきましょう。
参考にした情報
- 厚生労働省「介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて」(平成30年9月28日通知。2026年10月21日確認)
- 厚生労働省 老健局「介護保険制度の概要」(PDF)
- 厚生労働省 社会保障審議会 介護給付費分科会(第103回)資料「区分支給限度基準額について」(PDF、2026年10月21日確認)
- e-Gov法令検索「介護保険法」
- イチロウ「料金について」(2026年10月21日確認)
- クラウドケア「料金」(2026年10月21日確認)
※情報は2026年10月時点のものです。制度やサービスの内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトや市区町村でご確認ください。